トリ貝は主に足の部分を食用にする。
トリ貝の足は黒く色付いており、この色を残して仕込む事が求められる(色の禿げたトリ貝は鮮度が悪いトリ貝に見える為)
この記事ではトリ貝の特徴と色を残して仕込むポイントを紹介している。
トリ貝とは?
トリ貝はザルガイ科に属する貝であり、外観は赤貝を白くしたような見た目をしている。名前の由来は腹足の形が鳥の嘴に似ているからという説が有力とされる。
トリ貝の特徴
トリ貝は魚介類には珍しく、黒い見た目をした貝である。殻が非常に薄く、また身の黒色も簡単に色が落ちてしまう弱い貝である。その為、酢を使って色落ちを防ぐ、ラップやガラス板の上で摩擦を少なくした状態で捌くなど、他の貝と少し違った仕込み方をする必要がある。
トリ貝の旬
トリ貝の旬は3月〜6月。3月初旬に韓国産が出始め、次第に国産品が流通し始める。
トリ貝はスーパーなどで通年を通して見かけるが、あれは漁獲したトリ貝をボイルして冷凍した物。トリ貝本来の甘さや歯切れの良さを味わうのであれば、旬の時期の生トリ貝をオススメする。
トリ貝の産地と値段
殻付きで流通するトリ貝の主な産地は、2月末に韓国産が出始め、次第に愛知や三重の天然物が流通する。値段は高値安定であるが、銚子産のトリ貝や、舞鶴の養殖物など、大型のトリ貝は高値で流通する傾向にある。
トリ貝の捌き方と食べ方
動画ではトリ貝の捌き方と酢の物、鮨の作り方を紹介している。
トリ貝の捌き方(色を残す方法)
トリ貝は仕込みの過程でサッと火を通す事はあるが(半生程度に火を通す)、刺身や鮨、酢の物と生で食べることが主である。
春を告げる食材である為、山菜類と合わせることが多い。
仕込み方が特徴的である為以下にまとめる。
トリガイは殻を剥き身を外し、氷水に落とす。この時氷水に、酢を入れておくとトリ貝の黒色が落ちにくくなる。
殻から外したトリ貝は紐を外し開く。
写真のように、腹足部のRに沿って捌く。この際、まな板にアルミホイル又はラップを敷いておくと摩擦による色落ちを防ぐことが出来る。
開くと写真のように内臓が見えるので内臓を掃除する。内臓は包丁で軽くこするようにすると簡単外れる。
内臓が外れたら水で軽く掃除をする。
ここまでが仕込み。
火を入れる場合は酢を軽く入れた湯にサッとくぐらせて氷水にとること。
食べる直前に軽く叩いてやることで身が締まり、美味しく食べることが出来る。