イクラの醤油漬けの作り方
秋になりますと、鮭の卵巣、いわゆる筋子が出回り始めます。筋子をほぐして味を入れたものがイクラですね。
つまりイクラの旬は秋って事です。イクラは一年中流通しますが鮭の産卵期は秋口。普段食べているイクラはほとんどが冷凍物と言うことになります。
近年は冷凍技術の進歩によって生のイクラと遜色ない品も多く出回っておりますが、やっぱり生のイクラは別物。筋子が出回り始めたら是非とも自分で作って食べたいと思うのが人の心と言うものでしょう。
10月を過ぎればスーパーでも度々見かけますので、ご自分で漬けたことがある方も多いのではと思います。
しかしこの筋子、2、3日たつと固くなってしまうんですよね。ピンと貼ったイクラは独特のネットリ感が無く、悪い意味で口の中で踊ってしまう。
これじゃあ、せっかく買ったイクラが台無しです。
そこで今回は固くならないイクラの仕込み方をご紹介いたしましょう。
なぜイクラは固くなるのか?
何故、イクラは固くなってしまうのか、原因は主に2つです。
そもそもいくら自体が固くなってしまっている。
いくら自体が硬いとは言葉の通りでして、卵巣は産卵に向けて段々と大きく、そして固くなっていきます。抱卵から産卵までに卵巣が成長する過程で皮が固くなっていくと言うことです。
年や産地によって違いはありますが、目安としましては11月半ばを過ぎたら段々とイクラは固くなっていくと思ってください。
しかし、どんなに硬いと言っても食べれない程ではありません。1番の問題は次のイクラが水分を吸ってしまうと言うことです。
イクラは水を吸ってしまう
これはイクラが浸透膜に覆われている事が関係します。
多くの方はイクラを仕込む際に50℃前後のぬるま湯、または塩水に漬けて皮をほぐすかと思います。ぬるま湯につける事で筋子の外膜がちぢみイクラが自然とほぐれる為です。
しかし、この過程でイクラが水分を吸い込んでしまいます。イクラが水分を吸う事でパンパンに張ったピンポン球のようなイクラになってしまいます。
水分を吸えばいくらの味は薄くなりますし、一応塩漬けにすればイクラの水分は抜けるのですが、その過程でイクラの旨味も抜けてしまいます。
一度水分を吸ったら戻す方法は無いと言う事です。
この事を踏まえてイクラの醤油漬けを作りましょう。
イクラのほぐし方
ネットのレシピを見ていますと、イクラはぬるま湯につけてほぐすと言うのが一般的です。
多くの飲食店でもこのようにイクラを仕込んでいる事と思います。
これは間違いでは無いですし、時間も非常に短縮出来るので、メリットもあるのですが、先に書いた通りイクラが固くなります。
仕込みたては美味しいイクラでも2日も経てばパンパンのイクラになっている事でしょう。もしくは自身の張りに耐えきれず、イクラが割れてドロドロのイクラになってしまいます。
なかなか高価なものですし、美味しく食べたいとお思いでしたら下記の方法を試して見てください。
イクラの醤油漬けの作り方
- まずは筋子を用意しましょう。(筋子は鮮度の良いものを。見てわからなければ、粒が大き過ぎずに照りがあるものを選びましょう。)
- 次にイクラをほぐしますが、ここでは水は使いません。手で揉むようにすると自然とイクラがほぐれます。感覚としては指の先を使って強めにイクラをくすぐるイメージですね笑(イクラを潰さないように気をつけましょう。)
- 外側の固い膜が取れますとこのような状態になったと思います。
- ここからは根気のいる作業、残っている膜を見つけて手でほぐしていきましょう。
- キッチンペーパーやサラシを使うと作業しやすいですね。
- 目視できる膜が取れたら薄めの塩水を用意します。
- ザルも用意しておきましょう。
- 薄めの塩水で一度だけほぐしたイクラを洗います。この時潰れたイクラが白く浮いてきますのでザルを使って取り除いて下さい。
理想は潰れたイクラ全てを取り除く事ですが、ポイントはどれだけ水に触れている時間を短縮出来るか。そもそも食べられないものではないので、取りきれなかったら多少は混ざっても仕方ありません。
その後、ザルに上げてイクラの水気を切りましょう。
冷蔵庫で5分程ザルに上げておくとキレイなイクラになっているはずです。
その後醤油につけていきますが、ここでもポイントは水分。漬け地が多過ぎるとせっかくのイクラが台無しです。
イクラの漬け地
上記の方法でイクラは綺麗になったと思います。ここからはイクラを醤油に漬ける方法です。
醤油1:酒1:みりん1を合わせ沸騰させアルコールを飛ばす。そのまま冷蔵庫もしくは氷水に鍋ごと付けて冷やしておきましょう。この漬け地でイクラを漬けていきます。
綺麗にしたイクラの重さを計り、重さの10%の漬け地を加えます。
イクラが100gなら漬け地が10gと言う事です。
そのままザックリとかき混ぜて冷蔵庫で1時間以上寝かせます。
1時間以上経てば、漬け地を吸い、張りを持ちつつもネットリとしたイクラが完成しているはずです。
この方法は非常に手間がかかりますが、美味しいものを食べたい、食べてもらいたいと思えば苦痛では無いかと思いますんで、食べる人の顔を想像しながら挑戦してみてくださいませ。
さて他記事にてイクラの漬け方と固くなる原因をもう一度詳しくまとめております。興味がありましたらご覧ください。
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