松茸の美味しい食べ方
秋の味覚の代表格といえば、そう松茸です。
言わずと知れた高級食材ではありますが、最近では流通の発達、市場の拡大のいより、外国産の松茸も多く出回るようになりました。
誰もが知る食材ではありますが、意外と自分で料理したことがある方は少ないのでは無いでしょうか。
最近はスーパーにも手頃な値段で並んでいるのを見かけたりもします良く見かけたりもしますが、大きい物と小さい物、どちらが美味しいのでしょうか?
国産と外国産、値段に大きな違いがあるけれど、味は違うのでしょうか?
松茸と聞くとホイル焼きや土瓶蒸しが思いつくけれど、どう料理したら良いのでしょうか?
そもそも松茸ってどんなキノコなのでしょうか?
この記事では松茸についてまとめてみたいと思います。
そもそも何故松茸は高いのか?
シメジに舞茸、エノキになめこ。
食用とされるキノコの中でも松茸は群を抜いて高価です。
大きさにもよりますが高いものでは1本うん万円・・・・
これは松茸が他のキノコ類と異なり人工栽培に成功していない事に起因します。
現在市場で良く見かけるキノコは人工的に、つまりは工場で大量生産が可能となっております。
安定した供給が可能であるため、低価格で高品質のキノコを我々は食べることが可能な訳です。
しかし松茸に関してはその生態は未だに解明には至っておりません。
生態が判らないため人工的な栽培は不可能。
よって2019年現在、松茸は天然物のみが市場に流通する形です。
さらに国産の松茸は年々、生産量が減少しており、この事も松茸が高値で取引される原因の一つでもある訳です。
今現在分かっている松茸の生態
さて、未だに解明には至っていない松茸の生態ですが、分かっている事もあります。少しお話させていただきます。
そもそも松茸は松の根元に生えるきのこです。よって【松】【茸】
解りやすいですね。
では松茸はどんな場所に生えると思いますか?
皆さまキノコというイメージからジメジメした日陰、落ち葉や腐葉土の中で菌が繁殖して松茸が生えてくるとお思いでは無いでしょうか?
答えはNO
一般的に松茸は痩せた土で育つと言われております。
他のキノコ類は周りの土や枯れた木の養分によって育っていきますが、松茸は松の栄養分で育ちます。生きた松が排出する養分を使って、松茸は成長していく訳です。
枯葉や枯れ木などが分解される過程で出来る腐葉土。
その養分が豊富な土壌では逆に松茸は育ちにくいという訳であります。
昔は松茸がよく取れた
さて、少し話が変わりますが、半世紀前の日本では松茸がよく取れておりました。
量にして現在の50倍以上。
こんなに生産量が減少したのは日本人と自然の付き合い方が変わった事が原因の一つと言われております。
先ほど少し触れましたが松茸は痩せた土壌で育つという特徴があります。
半世紀前の日本人は森や山と共に生活しておりました。
火を起こすのには薪が必要でしたし、食材は森や山から自給自足の生活。山へ日常的に足を踏み入れていたという事です。
しかし、文明の発達、便利さには敵いません。燃料は薪や炭からガスへと変化していきました。
薪というものが段々と人々の生活から姿を消すにつれ、人々が山に入る機会が急激に減った事は想像に容易いでしょう。
人が山に入る。人の通り道からは自然と落ち葉が退かされる。道があるからまたそこを人が通る。地面は固く踏み固められ植物の育ちにくい痩せた土壌が出来上がる。
こうした過程が自然と松茸が育ちやすい環境を作っていたという事ですね。
言うなれば、松茸の不作は山との付き合いが疎遠になった現代人へのしっぺ返し。
そんな過程を経て、現在では国産松茸と言ったら超が付くほどの高級食材となってしまった訳であります。
外国産の松茸は美味しいの?
さて、国産松茸だけに目を向けると生産量は減少し、価格は高騰の一途を辿っている訳でありますが、文明の発展が全て悪い訳ではありません。
それは流通の発達により外国産の松茸がある程度鮮度を保ったまま市場に出回るようになったという事です。
連日市場には多くの外国産松茸が顔を揃えております。
中国に始まり、韓国、アメリカ、カナダ、メキシコと世界各国から日本へと輸入されております。
そこで皆様、気になるのはやはり味の違いについてでしょう。
以下で解説いたします。
そもそも松茸の美味しさとは?
外国産の松茸について考える前に松茸の美味しさについて考えてみましょう。
【香り松茸、味しめじ】とは良く言ったもので松茸の醍醐味とは何と言ってもその香りに尽きます。
シャクシャクとした食感も持ち味ではありますが、食感を楽しむだけならエリンギやエノキだって他には無い食感ではありますしね。
つまり、良い松茸とは香りの良い松茸という事になります。
その事を踏まえて外国産松茸に目を向けてみましょう。
外国産松茸と国産松茸
キノコ類は想像以上に鮮度が落ちやすい食べ物です。
土もしくは原木から収穫した瞬間から鮮度は落ち始めます。
その為国産の松茸は少しでも鮮度を保たせるようにある程度土をつけたまま出荷されます。
松茸を少しでも鮮度の良いまま消費者に届ける為ですね。
国産松茸の強みはまさにそこにあります。距離にしても、外国産松茸と比べて収穫から消費者の口に入るまでの速さが圧倒的に早い訳です。
一方外国産松茸は単に距離が遠いだけではなく、環境保護の観点から土をつけての輸入が禁止されています。
よって鮮度の落ちが早く、松茸の香りを100%楽しむ事は困難です。
このような理由から、やはり国産松茸の方が美味しいとする意見が多くなります。
しかし近年では松茸エッセンスという香料が発明されておりますので、外国産松茸でも松茸エッセンスを加える事で非常に美味しく食べることが可能となっております。
下記に外国産松茸のそれぞれの特徴をまとめておきます。
中国産松茸
中国産の松茸は国産の松茸に比べて全体的に食感が柔らかく香りも弱い。
輸入量が多いので大きさや形など好みのものを選びやすい。
韓国産松茸
韓国産松茸は国産松茸に近いと感じる。香りも他の外国産に比べて強いものが多く、また値段も他の外国産松茸に比べてやや高めである。
メキシコ産松茸
色や形、香りが国産松茸に近い。しかし日本との距離があることから輸送に時間がかかるため、市場に並ぶ時には香りが弱くなってしまっている場合も多い。買うときは傘の開ききっていないものを選ぶこと。
カナダ産・アメリカ産松茸
アメリカ松茸と呼ばれ、日本の松茸とは別種とされる。全体に大きいものが多く、色も白っぽい。
値段も安く大きさもあるため、家庭でも扱いやすい。
ここまで松茸の特徴をまとめてきましたが、では実際に松茸はどう料理したら良いのでしょうか?
以下でオススメの松茸の食べ方をご紹介します。
松茸の美味しい食べ方
- 松茸のバター焼き
- 松茸ホイル焼き
- 松茸のフライ
今回は上記の3点をご紹介します。
3点とも家庭でも作りやすく、美味しさを感じやすいからです。
土瓶蒸しや茶碗蒸しなどももちろん美味しいのですが、松茸の質に左右されやすい点と、美味しい出汁が味の決め手となるため、家庭で作るなら以上の料理をオススメしております。
- 松茸バター焼き、ホイル焼きの作り方
まずは松茸の下処理をしましょう。買ったばかりの松茸は少なからず土が残っています。湿らせたキッチンペーパー等で綺麗に土を取り除きます。
強くこすりすぎると松茸がボロボロになってしまいますので、優しく擦りましょう。多少土の汚れが残っていても問題ありません。
掃除した松茸は手で裂いてホイルに包みます。
ホイルに包む際に軽く塩と酒を振っておきましょう。
ホイルはしっかりと折りたたみ隙間を無くします。こうする事で香りが外に逃げにくくなります。
ホイルに包んだらグリル又はオーブンに入れます。しばらくすると中の酒が蒸発してホイルがパンパンに膨らんできます。そこから一呼吸、松茸の大きさにもよりますが時間にして1分くらい蒸し焼きにします。
バター焼きにする場合はここでフライパンでバターを熱します。焦げるギリギリまで加熱し、ホイルを開いて松茸にかければバターの香りと松茸の香りを楽しむ事が出来ます。仕上げにバターの熱で松茸に火を通す感覚です。
少し手間ですが、ホイル焼きにする場合はバターの代わりに出汁に塩を加え熱々に温めて置きましょう。ホイルを開いたら出汁を回しかけます。もちろん出汁なしで焼いたものをそのまま食べても美味しくいただけます。好みでスダチを絞っても良いでしょう。
- 松茸のフライの作り方
松茸のフライはそのままフライにするだけのとってもお手軽な料理です。天麩羅よりもサクサク感が強く、又、パン粉の香りも加わるので、私の大好きな食べ方です。
松茸を濡らしたキッチンペーパーで掃除し、小麦粉をまぶし溶き卵を潜らせ、パン粉をつけて揚げるだけです。油は170度でジックリと揚げていきましょう。揚げ油は香りの弱いものを使うことをオススメしております。
個人的な感想ですが、食感、香り、共に私はこの食べ方が好きですね笑
いかがでしたでしょうか?
他にも土瓶蒸しや天麩羅と松茸の楽しみ方は色々ありますので、機会があれば記事にまとめてみようと思います。それではまた。