通常1日以上かかる金継ぎを、たったの1時間で仕上げる超簡単な金継ぎ方法
そもそも金継ぎとはなんぞや。
形あるものはいずれ壊れてしまうもの。
そう、器は割れます。割れたり欠けたりします。
その割れた器、欠けた器を直す方法の一つが金継ぎです。
室町時代から存在している器の修復方法でして、主に漆(うるし)を使って器を直していきます。
具体的に説明しますと
- 割れた器を漆で作くっつける
- 漆と土を混ぜ、先ほどくっつけた部分の隙間を埋める
- 余分な漆を削り取り、再び漆で隙間を埋める
- 継ぎ目に漆を塗り金粉をまぶす
と、まぁこんな感じです。しかし問題がありまして、まず漆。これがとにかく扱いづらい。
買おうと思えば買えるんですが、漆は皮膚につくとかぶれます。
そしてなかなか落ちません。
さらに乾燥させるのに2〜3日かかります。
つまりは上の4工程を終わらせるのに1週間以上かかるという事です。
最近流行りの簡易金継ぎ
と、そこで最近流行りだした金継ぎが接着剤と新漆という合成漆を使って金継ぎをする方法です。
新漆は元々釣り具メーカーが売り出したものでして、ウキや釣り竿に使っていたものですね。合成漆なのでかぶれの心配がいらない点、そして漆に比べて乾くのが早い点、入手しやすい点などメリットが多々あります。
また器の穴埋めにはエポキシ系のパテを、金粉の代わりに真鍮粉を代用していますね。低コストで簡単に金継ぎしちゃいましょうって方法です。
エポキシ系とは2つを混ぜてから使うパテや接着剤のことでして、混ぜてから何分で固まるか時間が商品毎に決まってます。すぐ固まるものを代用すれば漆を使うよりも大幅に時間を短縮できるかと思います。
こちらも簡単に紹介します。
- 割れた器を接着剤でくっつける。
- 器の隙間をエポキシ系のパテで埋める
- 埋めた部分をヤスリで慣らして平らにする
- 慣らした部分に真鍮粉を混ぜ込んだ新漆を塗って乾かして完成
材料は大体ホームセンターで揃いそうですし、簡単に始められそうな気がします。
が、しかし・・・・・
確かに材料は揃うんです。簡単に始められるんです。でもいざやってみると・・・・・
まずね、接着剤が固まる時間。
5分で固まるという接着剤、本当に5分で固まりますか?
不安でもう少し置きたくなりますよね。さらには5分で固まるということは、5分以内に全ての作業を終わらせろと、いう事です。
大量に作業するなら、その都度A液B液を混ぜ合わせなきゃなりません。
パテに関しても同じ事でして、作業しては数時間おいて作業しては数時間置いて・・・・・を繰り返す事になるわけです。
こういうのはやる気になった時に一気に進めないと中々作業が終わらないものです。
今日は時間がないから後でやろうと思っているうちに、金継ぎ途中の器が家の棚に残っていくわけです。
で、今回ご紹介する超簡単な金継ぎが以下の方法になります。
光硬化パテを使った超簡単な金継ぎ
この方法は、接着と穴埋めの作業を一本化しちゃう方法です。
光硬化パテとはパテを買うと付いてくる専用のライトを当てると反応して固まるパテの事です。
値段もそんなに高くはありませんし、何より光を当ててから数秒で固まります。しかも高度が高い。さらにエポキシ系の接着剤と違い液体自体に粘りが無いので作業が効率よく進みます。
さらにさらに、便利な事に、接着剤とパテが一つになったタイプの物が売ってます。
つまり、接着してから数秒でヤスリがけができてしまうわけです。
ね、簡単でしょ笑
という事で超簡単な金継ぎ方法ご紹介します。
- 割れた器(直したい器)を準備します。
- ボンディックを用意します。(ボンディックは私が愛用している光硬化パテ兼接着剤です)
アマゾンで売ってます。
- 光を当てて繋ぎます(パテの役割もありますのでたっぷりと接着剤をつけてください。そうすればそのまま削れます。)
- 固まったら隙間が無いか確認しましょう。隙間があればまた接着剤を足して固めてください。
- はみ出した部分をカッターで削ります
- カッターで削りきれなかった部分をヤスリがけします
- 真鍮粉を混ぜた新漆を塗ります
- 新漆を割れ目に塗ります
- 新漆が固まったら完成です
どうでしょうか。時間がかかったという方もいらっしゃるとは思いますが、慣れれば本当に1時間で終わりますよ。
自分で金継ぎした器ってなんか愛着わきますよね。
皆さんも大切な器が割れてしまった際は是非是非お試しください。
ちなみに新漆は食用では無いそうなので、金継ぎに使う際は自己責任でお願いいたします。