鮑(アワビ)の美味しい食べ方は?
鮑の種類
アワビは言わずと知れた高級食材。和食のみならず中華や洋食でも良く使われます。
非常に生命力が強く、日本のみならず、ハワイや中国、韓国、アメリカなど、世界各地に生息している。
そんなアワビだが実は国内には何種類かのアワビが存在している。
クロアワビ
日本各地で水揚げがあり、浅い海に生息している。身は青や黒い色
をしている。身は硬く、刺身に向いている。養殖物が多いが、高値で取引される。
エゾアワビ
北海道で漁獲される鮑。見た目は黒アワビと良く似ておりパッと見ても区別がつかない。黒アワビ同様に身が硬く刺身にすると美味。鮑の中では流通量は多く感じる。
メガイアワビ
主に西日本で漁獲されるアワビ。
メガイと呼ばれる。メガイとは以前はクロアワビの雌と考えられていた為【雌の貝】でメガイと呼ばれるようになった。
全体的にオレンジ色をしており、身が柔らかい為、蒸し鮑(酒蒸し)やバター焼きなどの加熱調理に向いている。
マダカアワビ
ほぼほぼ幻のアワビ。市場でもまず見かけることは無い。見た目はメガイに似ているが大きさは2回り以上大きく値段も超高級。料理人でも市場に通っていない人間は見たことのない人間がほとんどでは無いだろうか。身は柔らかく肉厚。是非とも蒸し鮑(酒蒸し)にして食べたいアワビ。
蒸し鮑(鮑の酒蒸し)の作り方
貝類全般に言えることですが、鮑は鮮度が命です。水槽でも数週間は生きますが、身は痩せていきますし、何より水が汚れると水の匂いが鮑に移ってしまいます。
仕入れたらなるべく早めに使いたい鮑ですが、今回は蒸し鮑(酒蒸し)にしましたので、作り方をご紹介しようと思います。
さらに、鮑の肝ソースの作り方も合わせてご紹介いたします。肝ソースは鮑の肝を使ったソースです。今回は一緒に火を入れて鮑の肝ソースを作っておりますが、刺身に添える場合は生食も可能ではありますので参考までに。
また、蒸し鮑と煮鮑の違いですが、実は非常に曖昧です。蒸したら蒸しアワビ、煮たら煮アワビなのですが、実際には煮ていても蒸し鮑と言って売っているお店も多々ありますし、そもそも蒸すと言っても蒸し煮に近い蒸し方をするお店が多いです。その為、蒸し鮑と煮アワビの境界線は非常に曖昧です。
興味のある方は食べた際にお店の方に聞いてみましょう。
蒸し鮑(酒蒸し)の作り方
- まずは鮑を洗いましょう
仕入れた鮑は水を流しながらタワシで良くこすってください。表面の滑りを良く洗い流しましょう。(人によってはここで塩をする方もおられますが私は身が固くなるのが嫌なので塩はせずタワシでこするだけでございます。)
- 次に蒸し器を沸かします。
- バットに酒少々を入れアワビを並べ上に昆布をかけます(下に敷いても十分昆布の香りが移りますのでお好みで。)
殻から外して蒸す方もおられますが、殻ごと蒸しても問題ありません。
- 蒸し器に入れこのまま1時間
- 1時間たち竹串をさしてスッと入るようなら完成です
もし硬いようであれば追加で蒸してください。蒸せば蒸すほど柔らかくなると言う意見もありますが、私の経験上、物によって柔らかさには限界があると感じます。仕入れが一番大切です。
- 大きい物なら2時間ほどかかる事もあります
分厚く切って食べれば、磯の香りが口いっぱいに広がり、刺身では味わえない滋味深さが味わえます。
ここからは鮑の肝ソースの作り方のご紹介です。
鮑の肝ソースの作り方
- 蒸したアワビは簡単に殻から外れますので、外します。肝も一緒に外れるはずなので、肝を引っ張ります。
- 写真の右上の色が黒っぽくなっている部分は砂袋と言って砂がたまりやすい部分ですので外します。(手で引っ張ると簡単に外れます。)
もちろん砂を噛んでいない鮑の肝もあるのですが、砂を噛んでいた場合、これをそのまま肝ソースに入れてしまうとジャリジャリとした肝ソースになってしまいますので、必ず外す様にしましょう。
- 写真のように砂袋と紐が外れたかと思います。肝ソースに使うのは写真左の肝の部分のみです。
- すり鉢で鮑の肝を擦り滑らかにしましょう。鮑の肝が滑らかになったら牛乳と鮑を炊いた出汁で薄めます。(肝ソースなので鮑に絡まるくらいの濃度に調整してください。後ほど醤油と味醂を加えるので多少濃いめに作りましょう。)
- 醤油と味醂で味を整えて完成です。
- 次に蒸し鮑を切ります。(思い切って厚めに波切りにしてください。包丁を左右にゆらゆらと動かしながら切ると綺麗に切れますよ。表面積を多くすることで肝ソースが絡みやすくなります。)
器に盛り付けたら、出来上がり。今回は肝ソースを下に敷いてから蒸し鮑を盛り付けてみました。
濃厚な肝ソースは他にはない味わいです。