ワカサギの天ぷらの作り方を紹介します。ワカサギのさばき方や内臓の掃除の仕方、揚げ方のコツも説明します。ぜひお試しくださいませ。
ワカサギとは?
ワカサギは、シシャモやアユの仲間で、キュウリウオと呼ばれたりします。なぜキュウリウオなのかと言うと、理由は単純で、キュウリのような香りがするからです。
また、ワカサギを漢字で書くと「公魚」と書きます。昔ワカサギを皇室に献上していたので、「公」という字を当てるようになったと言われています。
ワカサギの偽物ではないのですが、チカという似ている魚もワカサギとして流通することがあります。ワカサギとチカの見分け方は、背ビレと腹ビレの位置で見分けることができます。背ビレより腹ビレが前にあるのがワカサギで、背ビレより腹ビレが尻尾寄りに付いていたらチカというお魚です。
ワカサギの下処理
ウロコの取り方
ウロコを取らずにそのまま粉をつけて揚げるだけでも充分美味しく食べられますが、鮮度がいいとわずかながらウロコが残っていたりもしますので、ウロコの取り方を2つご紹介します。
1つは包丁でこそげてウロコを取る方法です。全体のウロコが丁寧に取れますが、鮮度が悪いとウロコを取る時にお腹が破れます。またワカサギなどの小さい魚は、何本も調理する場合が多いので、1本ずつウロコを処理するのは非常に時間がかかります。
そんな時は手間を省くためのもう1つの方法でウロコを取ります。ボウルにワカサギを入れて、塩を大量に振り塩もみをします。なぜ塩で揉んでウロコが落ちるのかというと、ワカサギ自体がウロコが剥がれやすい魚であることと、塩の粒子の摩擦でウロコが落ちていくからです。でも完璧にはウロコは落ち切らないので、完璧に取りたい場合は包丁のほうがきれいに落ちます。
あまり長い時間塩もみをするとワカサギがしょっぱくなってしまうので、1分ぐらいもんだらワカサギを水洗いします。完璧ではないにしろ、おおかたウロコは落ちるので、手間だという方は塩もみして水洗いをしてから調理してみてください。
内臓の取り方
内臓ごと食べてもいいんですけれど、内臓がイヤだという方のためにご紹介します。ワカサギの内臓の取り方は、口を開いて下アゴをつまんで引っ張ります。そうするとアゴと一緒にエラと内臓が取れます。このように内臓を処理してから調理すると、内臓の苦味のないワカサギを食べることが可能です。鮮度が悪いワカサギや内臓が気になる場合は、内臓の下処理をしてから調理をしてください。
排泄物の取り方
内臓を取らない場合でも、魚のヘソの手前から肛門に向かって押し出すと、魚の腸に溜まった排泄物が取り出せます。この処理は内臓付きで調理する場合でもやったほうが苦みが少なく美味しく食べられます。
ワカサギの干し方
内臓の下処理が終わったらこのまま揚げてもいいですが、僕の場合は軽く干して身の水分を抜いてから揚げます。
表面に塩分を当てたほうが干しあがるのが早いので、まずボウルに塩とお酒を入れて酒塩を作って、酒塩にワカサギを軽くくぐらせてから干していきます。
酒塩に浸けておく時間は30秒くらいです。塩味を付けたいわけじゃなくて身の水分を抜きたいだけなので、サッとくぐらせるようなイメージです。
酒塩にくぐらせたら、ザルに並べてラップをせずに冷蔵庫に2~3時間入れます。冷蔵庫のファンの近くに置いて、風を当てながら乾燥させます。
途中で上下を返さないと、裏面だけ水分が多くて表面だけ乾燥した状態になるので、合間合間で魚の裏表を返しながら干してみてください。
3時間ほど経って、表面がうっすらと乾いてきたら天ぷらを揚げていきます。干し過ぎると、干物みたいにパサパサになってしまうので、加減は何度もやって覚えてください。
干す理由は?
なぜ身の水分を抜いてから干すのかと言うと、身の水分の多いワカサギを丸ごと揚げると、内臓が膨張して腹が裂けやすいんです。それを防ぐ意味も含めて、軽く干して身の水分を抜いてから天ぷらにします。これについては賛否両論で、干さずにみずみずしい身のほうが美味しいという意見もあります。
自分で釣ってきて鮮度がいいものであればそのまま食べたくなるでしょうし、市場やスーパーで買ってきて夜に食べるというような、ちょっと時間を置く場合は、干したほうがお腹が爆発する心配が少ないです。
ワカサギを揚げる準備
衣(ドロ)の作り方
まず、卵に氷水を加えて卵水を作ります。卵がなければ入れなくてもできますが、卵を入れたほうがコクのある衣になります。僕の場合は衣には必ず卵を入れるようにしています。
次に、卵水に小麦を加えて衣(ドロ)を作ります。卵水を作るのに氷水を使う理由は、粘りを出すグルテンが少ないほうが天ぷらの揚がりがカラッと揚がるからです。グルテンは水の温度が高いと形成しやすいんです。
小麦を加えてさっくりと混ぜ合わせたら、片栗粉を少量加えます。片栗粉を加えたほうが、天ぷらがサクッと揚がります。今回は薄めの天ぷらにしようと思うので、ちょっとシャバシャバです。
ワカサギの揚げ方
使う油は?
「天ぷらにおすすめの油はありますか?」とたまに質問されるんですけれど、天ぷらにおすすめの油は、太白油というゴマ油です。普通の茶色いゴマ油は一度ゴマを焙煎してから絞って作る油ですが、焙煎しないでゴマを搾った太白油が、僕はおすすめです。太白油はなかなか高い油ですので、ナタネ油などと合わせて使うことが多いです。
油の量
衣ができたらワカサギを揚げます。天ぷらを揚げる時のコツのひとつは、油をケチらずに使うということです。
鍋底から1.5㎝ぐらい油を張ります。もったいなく感じて油少なめでやってしまうんですけれど、油が少ないと食材を入れた時に温度が急激に下がってベタッとした仕上がりになってしまいます。
油の温度
油の温度は、衣を落として確認します。天ぷらを揚げる理想の温度は180℃ぐらいなので、衣を落として底に着くかどうかぐらいで上がってくる状態がちょうどいい温度の目安です。
油の温度が低いと、衣が沈んでゆっくり上がってきます。逆に温度が高すぎると、衣は沈むことなくシュワッと音を立てて上に浮いてきてしまいます。温度が上がりすぎた場合は、火を消してちょっと油が落ち着くのを待ってから揚げてください。
打ち粉
ワカサギを直接衣に入れずに、まずは表面を小麦で覆う打ち粉をします。打ち粉を付けすぎるとモタッとした重たい食感の天ぷらになりやすいので、付けすぎないようにしたほうがいいと思います。
見た目をちょっとでもカッコよくしたいと思ったら、打ち粉をした際にヒレを立てておくと、ピンとヒレが立ったカッコいい天ぷらに仕上がります。鮮度が良い魚を使えば自然と揚げた際にヒレは立つので、この作業はやらなくてもいいんですけれど、ワカサギは時間が経ってから調理する場合も多いと思うので、お好みでお試しください。
衣のくぐらせ方
衣にくぐらす際のポイントは、ヒレを持って、衣の薄いほうから通して濃いところで油に落とすようにします。
背ビレを持って揚げると、自然と重力の関係でお腹のほうにドロが溜まりやすくなります。お腹は内臓があるぶん揚げた際に破れやすいので、お腹の衣が濃いとお腹が破裂せずに天ぷらを揚げることができます。
衣は混ぜ方によって、薄いところと濃いところができるので、薄いほうから通すと衣が重くなりすぎません。
揚げ方
最初は水分があるので大きい泡がいっぱい出るんですけれど、水分が抜けてくると泡がだんだん少なくなって音もカラッとした音に変わってきます。そうしたら火が通ったサインですので油から上げます。
余分な衣をこまめにすくいながら揚げると、天ぷらに使う油が劣化しにくいので、こまめに面倒を見ながら揚げてください。
一度に大量に揚げようとすると油の温度が下がってベチャっとした天ぷらになってしまうので、鍋の半分以上にスペースがあるぐらいの量だとカラッと揚がるのかな。
手間ではあるんですけれど、一度に魚を入れすぎないというのもポイントのひとつだったりします。
ワカサギの天ぷらの盛り付け
ヒレが立っているだけで、結構見た目はカッコよく仕上がると思います。泳いでいるような姿に盛り付けることができるので、こんな揚げ方も試していただけたらなと思います。
天ぷらの揚げ方の詳しいお話は別の記事でも紹介していますので、詳しくはそちらもご覧ください。
今回のYouTube動画
今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。