サワラのさばき方やコツ、おつまみの作り方をご紹介します。サワラを食べる機会がありましたら、ぜひお試しください。
サワラとは?
サワラの旬は?
サワラの漢字は魚に春という字を書きますが、サワラは秋から冬にかけて身に脂が乗って美味しくなります。もちろん春先も充分脂が乗っていて美味しいんですけれど、秋冬で身が美味しくなる魚です。
サワラは英語にするとスパニッシュマッカローと言います。マッカローはサバのことですが、名前の通りサバを大きくしたような魚です。サバと同じく、非常に身が柔らかくて身割れしやすい魚です。
サワラの分類
サワラの分類は難しいんですけれど、僕は青魚だと思っています。ただ青魚の割に身は白色をしていて、ふわふわっとした食感でサワラにしかない個性があって、なかなか面白い魚だと思います。
青魚はなぜ青い?
青魚はだいたい背中が青色をしていてお腹が銀色をしています。なぜかというと、水の中を泳いでる姿を上から見ると海の色と背中の色が同化して見つかりにくく、下から見上げると海面から光が差し込み光と銀色が同化して見えづらくなるという理由です。
水深が深くないところで泳ぐ魚は背中が青くてお腹が銀色をしていたり、深海に住む魚は赤い色をしていたり、岩場に住む魚は全身が黒い色をしていたりします。意外と魚の見た目で生息している水深がわかったりします。
魚のタグが付いていたら?
タグが付いていたり船の名前や産地が付いていたりする魚は、漁港や船が自信を持って出荷している場合が多いのです。なので、タグが付いていたらいいものである可能性が高いです。タグが付いていなくてもいい魚はいっぱいいるのですが、ひとつの目安として参考にしてください。
サワラのさばき方
ウロコの落とし方
サワラにウロコがないと思っている方もいると思いますが、鮮度が良ければ細かいウロコがびっしりとついていますので、包丁でこすって落とします
今回は皮ごと食べるのでなおさらですが、うっすらと見えるゼイゴのラインにちょっと強めの細かいウロコがびっしりと付いているので、柳刃包丁ですき引きしていきます。力を入れすぎると身を傷つけてしまうので、包丁でなぞるように優しくウロコをすき取ってください。ゼイゴラインのウロコを掃除しておくと、食べた時に食感よく食べることができます。
片面のウロコを掃除したら、身を返して裏側も同様にゼイゴのラインのウロコをそいでいきます。サワラは非常に身が割れやすいので、裏返す際にはなるべく身に負担がかからないように両手でしっかりと持って、丁寧に扱うようにしてください。
作業の際ヒレが気になる場合は、最初にハサミで切り落とすなど各自調整してください。
頭の落とし方
全体にウロコをとったら腹ビレと胸ビレの付け根から頭を落としていきます。そんなに難しい作業ではなく腹ビレから1本包丁を入れて胸ビレから頭を落とします。
頭を落としたら、ヘソからお腹を割いて内臓をかき出します。お腹を割いたら血合いを包丁でかき出し水洗いします。
サワラのおろし方
サワラの頭を右に向けた時に上にくる身は普通の3枚おろしで、下の身は裏おろしします。サバとほぼ一緒のおろし方をすると身が割れにくいです。身の柔らかい魚をおろす時は、なるべく包丁を入れる回数を少なく、2回か3回ぐらいでしっかりと中骨まで刃が達するように包丁を使うときれいにおろせます。
3枚おろし
上の身は中骨の上をなぞるように包丁をスライドさせます。お腹側と背中側にしっかり包丁が入っていれば身をきれいにおろせます。身を外す際は両手でしっかりと支えながら外してください。
裏おろしの仕方
下の身を外す時は裏おろしにします。裏おろしのやり方は人それぞれですが、僕の場合は上の身をおろした流れで背中側に包丁を入れてしまいます。背中にスルスルっと包丁を入れて切り進めます。裏おろしは包丁を上に向けるので手を切りそうで怖いんですけれど、しっかり骨を支えつつ包丁は上にちょっとだけ力を入れて切り進めるのがポイントです。
続いてお腹側ですがお腹側も裏おろしにしてもいいのですが、僕の場合は裏返して皮目を上にして3枚おろしにしています。各自やりやすい方法で魚をさばいてください。
身の切り方
中骨のラインまで包丁が達したら中骨の上を包丁でなぞります。シッポがまだ繋がっているので切り離して身を外します。
サワラのように大きい魚は、半分に渡して作業しやすい大きさにしてからアバラ骨をかくとよいと思います。
アバラ骨をすき取ります。
アバラ骨をすき取ったら血合いの部分で半分に渡します。血合いが苦手でない人は、この段階で血合いの骨だけ抜いて血合いごと食べてもよいです。
僕は血合いが苦手なので、血合いの部分も包丁で磨きます。お腹の部分もちょっと色が変わってる部分は磨いてから食べるようにしています。
シッポの先端はスジっぽいので、切り落としてまかないに回してしまいます。
塩の振り方
塩を振って身の水分を抜きます。塩は多少強めに振っても洗い流すので、神経質にならずに皮目には多少強めに塩を振ります。身は味が入りやすいので、皮目より気持ち薄めに塩を振ります。僕は身が多少柔らかすぎると感じるので塩をして水分を抜きますが、柔らかい身が好きな方は塩をせずにそのまま使ってもいいと思います。
表面にうっすらと塩を振ったら10分程度おいて身の水分を抜きます。10分ほど経つと、身の表面に水分が浮いてきます。そうしたら表面の塩を洗い流します。
アニサキス対策
サワラは結構アニサキスがいる魚ですが、身がアニサキスと同じ色をしているのでアニサキスを見つけづらい魚です。自分で食べる場合は自己責任なので気をつけて食べてくださいとしか言えないのですが、お店なんかで使う場合は冷凍してリスクをゼロにしてから提供するのがよいと思います。
冷凍の仕方
塩を洗い流した直後のサワラは、身の表面にだけ塩が回っている状態です。ゆっくり身の内側まで塩が入って全体の水分が抜ける前の状態なので、僕はこの段階では冷凍にせず、一晩寝かせてから冷凍するようにしています。
ペーパーで包んで冷蔵庫で寝かせて、身から出る水分をペーパーに吸わせつつ塩を全体にまわします。身が落ち着いたら冷凍します。
解凍した身は触ると身がネットリしています。そうなったら切って炙っておつまみを作ります。
サワラのおつまみの作り方
皮目を炙って風味を出しつつおつまみを作ると、美味しく食べられると思います。青魚系は火を入れると味が出る魚が多いので、表面だけ炙ってお刺身にしても美味しく食べられます。刺身に切る際はしっかりと厚みを持たせるとサワラの味を楽しむことができます。
おつまみを作る際に、ぜひ試していただきたいのはシッポと頭のほうの身の食べ比べです。泳ぐ時にシッポをよく動かすので筋肉が発達していて、食べてみると意外とシッポのほうが美味しかったりします。ぜひシッポと頭を食べ比べて味の違いを楽しんでもらいたいと思います。
ほとんど魚は腹側の脂の乗った身のほうが美味しいと言われますが、サワラに関しては身全体に均一に脂が乗っています。もちろん腹のほうが脂は乗っているのですが、他の部分もしっかりと脂が乗っています。そして身自体がふわふわっとして味がしっかりある魚です。
サワラのおつまみの盛り付け方
添える薬味は何でもいいですが、白ネギを細かく切って、ショウガをネギと同様に細かく刻んで一緒に和えて食べると美味しく食べられます。ワサビでも美味しく食べられますし、スダチなんかの柑橘類を添えてもよいでしょう、
今回はネギとショウガとポン酢をあえてサワラにまぶしました。自由にアレンジして楽しんでください。
盛り付けのコツは、器の大きさに対して器の余白が充分に残るよう盛りつけるときれいに見えます。あとはちょっと高さを出すとよいでしょう。持っている器と相談しながら盛り付けてみてください。
今回のYouTube動画
今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。