秋から冬にかけて出回る生の筋子を使った、いくらの味噌漬けの作り方を紹介します。熱湯を使った筋子のほぐし方も参考にしてみてください。
いくらの流通
いくらは1年中流通している印象がありますが、生のいくらが流通するのは9月から12月、1月あたりまでです。それ以外は、この時期に獲れたいくらを冷凍したものが流通しています。生のいくらを食べたい場合は、ぜひ秋に召し上がってみてください。
熱湯を使わないほぐし方
いくらは、そのままほぐす方法もありますが、今回は熱湯を使ってほぐす方法を紹介します。熱湯を使わずにほぐすほぐし方は、こちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
熱湯を使うほぐし方
筋子をほぐすために、まずは熱湯を用意します。そこに塩をひとつまみ加えて塩を溶かします。続いて、普通のお水を用意して、熱湯の温度を下げます。なぜ温度を下げるのかというと、いくらをつけるお湯の温度が高すぎるといくらを覆っている皮が柔らかくなりすぎて、うまくいくらをほぐすことができないんです。温度の目安としては手を5秒ぐらい入れていると熱いと感じる程度です。温度でいうと、大体55℃前後を目安にお湯を作ってください。
塩水の温度を50℃前後に調整できたら、いくらを浸け込みます。いくらの表面や皮目がうっすらと白くなったらいくらを振ります。するといくらが自然にどんどんほぐれていきますので、皮と身をバラしてください。温度が高すぎると、外側の皮が弱くなりすぎてボロボロと皮まで細かくなり、うまくいくらがほぐせません。温度調整はしっかりしてからほぐすようにしてください。
振ってもなかなかいくらがほぐれない場合は、軽く揉むとほぐれていきます。コツを掴めばそんなに難しい作業ではありません。お湯につけている時間が長いと、どんどんいくらが水気を吸って張りが出てしまいます。なるべく作業は手早く済ますようにしてください。
温度は、用意したボウルの大きさやお湯の量だけでなく、冷たいいくらを入れることで下がったりします。温度調節がうまくいかないと、ほぐれづらかったり皮がボロボロになったりするので、うまいこと調整してください。
皮をはずすことができたら、一度いくらをザルにあげます。ザルにあげたら、目で見てわかる範囲で残っている皮を取り除いてください。
いくらの皮を取り除いたら、氷水を用意していくらの入ったザルを振るいます。すると、ほぐす際に潰れてしまったいくらの皮がザルの目を通って下に抜け、仕上がりの食感がよくなります。潰れてしまったいくらの皮が結構混ざっているので、きれいにふるい落とすというイメージです。
お湯につけたり水につけたりすると、いくらの表面が少し白濁してきますが、冷蔵庫に入れて時間が経つと綺麗な色に戻ります。水を切りながら冷蔵庫で保存してください。
味噌床の作り方
いくらを漬ける味噌床を用意します。ちょっと甘めが好みなら西京味噌でもいいですし、しょっぱいほうがお好きなら赤味噌でもいいです。どんな味噌を使っても美味しくできると思いますので、好みで味を調整してみてください。
今回は、黒っぽい赤味噌と黄色味がかった西京味噌を用意しました。赤味噌を多めに合わせた味噌床でいくらを漬けます。
味噌だけでも良いのですが、味噌だけだと固すぎて漬かりが遅くなるのといくらにお酒の風味を加えたいので、味噌に日本酒を加えてちょっと緩めの味噌床でいくらを漬けます。固い味噌床に漬けるよりも、ちょっと水気を含ませた味噌床に漬けるほうが味の入りも早いというメリットがあります。
まずはちょっと広めのバットを用意して、味噌を伸ばしていきます。バッドが小さいといくら同士が重なって味噌に浸かっていない部分が多くなるので、途中でいくらの上下を返したりしなくてはなりません。なるべく広いバッドを用意したほうが漬かるのも早いですし、作業自体は少なくて済みます。
味噌を広げたら味噌の上にペーパーをかませて、いくらを広げていきます。いくらを広げたら、また上からペーパーをかぶせて味噌で覆います。味噌の塩分の濃度やどれぐらい酒で伸ばしたかにもよりますが、いくらに味が入るのは意外と早くて、1時間か1時間半で意外としっかり塩分が入ります。こまめに味をみて味噌に漬けすぎないようにしてください。
赤味噌を使うと味がしょっぱくなりやすいので、思ったよりも短めのスパンで味見をしたほうが失敗はしにくいかなと思います。しっかりとパッドの端のほうまで味噌を広げたら、冷蔵庫で保存します。
1時間ほど経ってペーパーをめくって、軽くいくらをかき混ぜます。味をみて、しっかり味が入っているようでしたら、いくらの味噌漬けの完成です。
漬け始めは表面には濃く味が入って、内側には味がなかなか入りづらいですが、味噌からあげてかき混ぜて冷蔵庫で再び2時間3時間寝かせると、全体に味噌の味がいき渡ります。ちょっと味にムラがあるぐらいなら問題はないかな。
いくら同士が重なって味に大きくムラがある場合は、味噌からはずして全体をさっくりかき混ぜてもう一度味噌床に漬けることで、全体に味が均一に入ります。お好みで調整してください。
味噌からあげて2、3日は冷蔵庫で保存がききますし、食べきれないぶんは小分けにして冷凍にしておくと便利です。
いくらの味噌漬けの食べ方
食べる際はご飯にのせても美味しいですし、お寿司みたいに軍艦にしても美味しいです。味噌でしっかり味を入れれば、いくら単体でおつまみにしても美味しいので、ゆずなんかを振って食べると美味しくお酒が飲めます。
今回のYouTube動画
今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。