稚鮎の一夜干しの方法と、唐揚げ・焼きをご紹介します。
稚鮎は生で天ぷらにすることが多いのですが、稚鮎の一夜干しは、焼いて唐揚げにしても美味しいのです。
干物にしておくと保存もきくので、安く大量に売っている時には、ぜひお試しくださいませ。
稚鮎とは?
稚鮎は、小さい子供の鮎のことで、梅雨から初夏にかけて出回ります。
今回は、琵琶湖の稚鮎を使います。
天然の稚鮎は、琵琶湖で多く水揚げされています。養殖の稚鮎は、和歌山や千葉で盛んです。
年に一度は食べていただきたい季節ものなので、スーパーなどで見かけることがありましたら、ぜひお試しください。
稚鮎の一夜干し
稚鮎の滑りの取り方
稚鮎は、表面が滑りで覆われています。まずは、滑りを取り除いていきます。
鮮度が良ければ、包丁で表面をこするようにして取ってもよいでしょう。
鮎が弱っていて、お腹が破れたりする不安がある場合は、ボールに鮎を入れて、多めの塩を加えて塩もみをします。
不思議なことに、魚の滑りは塩で簡単に落ちます。包丁でこそげるよりも手間が省けて、お腹が破れる心配もない方法です。
ざっくりと塩でもんだら、一度鮎を水洗いします。
写真では分かりづらいですが、塩で揉むだけで、表面の滑りはだいぶ落とせます。
焼酎への漬け込み方
ヌメリを落としたら、そのまま干す方もいますが、今回は焼酎に浸け込んでから干します。
使う焼酎はなんでも構いませんが、今回は麦焼酎です。
ボールに入れて、鮎を1~2分浸け込みます。
焼酎に浸け込む理由は?
干物を作る時、日本酒に漬けてから干すパターンが多いと思います。
それなのに、なぜ焼酎に浸け込むのかというと、稚鮎が梅雨の季節に出回る食材だからです。
梅雨の時期は、ジメジメして乾燥しづらく、干している間に魚が悪くなってしまうことがあります。また、日本酒より焼酎のほうがアルコール度数が高いので、殺菌性が強く、干物にした時のアルコールのとびが早いのです。
ですので、稚鮎は焼酎に浸け込んでから干物にするようにしています。
稚鮎の串の打ち方
焼酎に1~2分浸け込んだら、一度鮎をザルに上げます。
そのあと、下顎でも目でもどちらでもよいので、串を打ちます。
稚鮎の干し方
串を打ったら、タッパなどに鮎をかけます。
写真のタッパでは、ちょっと高さが足りないのですが、棚みたいなところに鮎をかけて、一晩(6時間~12時間ぐらい)好みの固さに干します。
干す時のポイントは?
部屋の温度にもよりますが、エアコンをつけない部屋で干すと内臓から臭みが出ます。そのため、ある程度冷房を効かせて湿気を取り除いた部屋で、扇風機で稚鮎に風を当てて干します。
目安は7時間くらいで、表面がしっかり乾きカサカサになるまでです。
7時間干した状態は?
7時間程度経って、表面にシワが寄るまで干せたら、稚鮎の一夜干しの完成です。
稚鮎の焼き
焼く場合は、このまま焼きます。
稚鮎の焼きです。
粉や油を加えずに、素の味を楽しんで美味しくいただけます。
稚鮎の唐揚げ
唐揚げにする場合は、表面が乾燥していても、粉はしっかりと付きますので、薄めに粉をつけます。
揚げる油の温度は、170度前後です。
揚げ物は180度で揚げる場合が多いのですが、温度が高すぎると干物でもお腹が破裂しますので、高すぎない温度で揚げてください。
干物にしているぶん、火が入るのはとても早いです。
油から上げるタイミングは、揚げている音が静かになり、稚鮎から出てくる泡が小さくなり始めた時です。
唐揚げの完成です。粉を薄くまぶすことで、ほぼ素揚げに近い唐揚げができます。
今回のYouTube動画
今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。