この記事ではナマコについて、捌き方・ナマコ酢の作り方、ナマコの種類、産地、旬、値段をまとめております。
ナマコとは?
ナマコとは棘皮動物の一種で、ヒトデやウニの仲間である。
世界中に分布し、約1300種が確認され、日本近海では約200種のナマコが確認されている。
動きも遅く弱い生き物に見えるがナマコはホロトキシンという物質を体内に持ち、これが魚にとっては毒物として働くため、魚に食べられる事は少ない。
※ホロトキシンは人には無害
また、ナマコは目や鼻といった感覚器官を持たず脳も心臓も持たないとされる。
再生能力が非常に強い事でも有名である。
ナマコの再生能力
ナマコは外部から強い刺激を与えると、自分の腸を吐き出す事があるが、1ヶ月から3ヶ月ほどで腸は再生する。
その間の絶食状態になるが、自らの体をエネルギーに変える事で生き延びているとされる。
再生能力に優れ、半分に切ると2匹に分裂する種も存在する。
※余談ではあるが、鮑やナマコといった生命力の強い種は中国では高級食材として扱われる事が多い。
ナマコの語源
ナマコは元々はコと呼ばれていた。
生で食べるコから現在のナマコの名がついたとされる。
よってナマコの内臓はコノワタ(コの腸)、卵巣はコノコ(コの子)、乾燥させたものはイリコ(煎りコ)と呼ばれる。
ナマコの【種類】【値段】【産地】
日本で食用とされるナマコは主に3種類
- 赤ナマコ
- 青ナマコ
- 黒ナマコ
である。それぞれ特徴を紹介する
赤ナマコ
赤ナマコは西日本の外洋に生息している。他の2種に比べてやや高値で取引される傾向にある。旨味が強く赤ナマコが最も美味とする声も聞く。
青ナマコ
青ナマコは九州から北海道まで全国の内湾に生息する。やや安値で取引される傾向にある。コリコリとした食感が身上で、硬いナマコが好きであれば青がおすすめである。
黒ナマコ
黒ナマコも青ナマコ同様全国の内湾に生息するが、黒ナマコは生食よりもイリコ(乾燥ナマコ)が有名である。
北海道から三陸にかけて主に中国への輸出用に作られており、イリコは形や大きさの良いもので、1kあたり20万円前後で取引される。
ナマコの捌き方(ナマコ酢の作り方)
ここからはナマコの捌き方をまとめております。記事下に動画版のリンクも貼らせていただきますので、そちらも参照くださいまし。
ナマコの捌き方・ナマコ酢の作り方
ナマコは生でも食べる事ができるが今回は茶ぶり(番茶で煮る)により、ナマコを柔らかくして食べる方法を紹介します。
※生で食べる場合は茶ぶりの工程を飛ばせば同様に食べられます。
ナマコは口(正確にはお尻)から半分に開き内臓を取り、口を外す。
茶ぶりするのに適した大きさに切る。
※流通の過程で内臓を吐き出してしまっている個体も存在する。
※内臓のうち茶色がかったものはコノワタ、オレンジがかったものはコノコ。
コノワタやコノコは食べる場合は酒で洗い、塩漬けにして取り置く。
番茶を沸かし、ナマコを通す。
適度な柔らかさになるまで火を入れる。
(30秒から1分が目安。火を入れすぎると歯応えが弱く、火が弱いと硬いナマコに仕上がる。弱めに湯をして薄く切、長めに湯をして厚く切るなど好みに合わせて加減する。)
そのまま冷やした酢(ここでは酢3に対し醤油1味醂1を加えた三杯酢)に入れて一晩漬け込む。
※好みで鷹の爪や柑橘類を一緒に漬け込むと良い。
薄く切ったキュウリやゆずを添えればナマコ酢の完成
前半でも触れたが、茶ぶりを省略する場合には薄く切ると食べやすい。
また酢につけずに置いておくとナマコの体は溶けてしまうので酢に漬け込む事。
いかがでしょう。
口と内臓さえ取ってしまえばあとは可食部ですので、機会があれば挑戦してくださいませませ。