タコというのは日本人には何かと馴染みの深い食材であります。
タコブツやタコ焼きと言えば、安くて美味しいイメージがある一方で、タコの柔らか煮や真蛸の刺身と言えば割烹料理には欠かせない品の良い一皿のイメージもあり、酢だこと言えば正月料理の定番であったりと、まぁタコはそれだけ日本人の生活に根付いた食材という事でしょう。
そんなタコですが、水ダコなんかは足だけで売られていたり、茹でタコは茹でられて店頭に並んでいたりと、実際にタコを捌く機会ってのは少なかったりします。
実際のところ飲食業界でも、刺身用の水ダコなんてのは90%近くは冷凍物でしょう。理由は値段と手間。
解凍して切れば刺身が出来るとあれば、アルバイトスタッフでも刺身が切れますんでね。
と、いう事でこの記事ではタコの捌き方を紹介しようと思います。
タコの種類と産地
普段食べられているタコと言いますのは、実は大きく2種類ございます。
一つ目は真蛸
一般に皆様が想像するタコと言うのはこの真蛸にあたります。
有名な産地では、国産なら西の明石(兵庫県)、東の佐島(神奈川県)と言ったところでしょう。
三陸から九州まで各地で水揚げがありますが、近年タコの水揚げ量は極端に減っているのが現状でもあります。
国産が少ないので当然のように海外からの輸入が多く(海外では最近まで、タコを食べない国がほとんどでした)スーパーなんかに並んでいる茹で蛸の産地を見ると、南アフリカやモーリタニア産のタコが多くを占めております。
二つ目は水ダコと呼ばれるタコです。
水ダコというのは皆様が想像するタコよりも一回り以上大きなタコです。
全長(足を伸ばすと)2メートルを超えるような大きな水ダコもしばしば水揚げされております。
この水ダコは北太平洋に広く分布しており、国産では北海道産が多くを占めます。
加熱にはあまり向かないタコですが、真蛸の漁獲高の減少の影響もあり酢タコなんかにはこの水ダコが使われております。
刺身で食べられるタコのほとんどはこの水ダコでしょう。
丸の状態で流通する事はほとんどなく、多くが足だけの状態になって流通します。
足だけになっても神経は活きているため、鮮度を見分ける際は軽く叩いてみて反応が良いものを選びましょう。
鮮度が良ければギュッと足が締まるはずです。
タコの捌き方
それではタコを捌いていきましょう。イカと違いタコは墨袋が破れる心配はほとんどありませんのでサクサクと進めていきましょう。
タコは頭を左に向けて起きましょう。活けの場合は眉間に包丁を刺すことで締めることが可能ですが、刺身で食べる場合などは神経を締めずに生きたまま保存する事も可能です。
左手で頭と足の付け根を掴みますと、丁度口の真上を掴む事ができますので
そこを切断します。
足の付け根にタコの嘴が残りますので手で取り出しましょう。
次に頭を処理します。頭を裏返すと写真のように内臓と頭を繋いでいる白い筋が出てきます。この筋を手で外していきます。タコは全部で3箇所、頭と内臓が繋がっております。
筋を外し終えると写真の様になりますので最後の付け根を包丁で切断します。
丁度写真の位置です。
これで頭と内臓を捌くことが出来ました。
タコのぬめり(タコの下処理)
残った足は一本づつにバラし滑りを取ります。
少量の塩を振り
思い切り手で揉みます。すると写真の様に滑りと臭みが出てきます。ある程度泡になり、滑りが取れたら手でしごく様にして水で洗います。
これで足の下処理は完了です。
あとはそのまま刺身でも、さっと湯引いてシャブシャブにしても美味しく頂くことが可能です。
頭も同様に塩揉みする事で臭みや滑りが抜けますので、同様にどうぞ。
ちなみにタコを柔らかく煮る場合には関連記事、タコの柔らか煮を参照ください。