車海老の茹で方(蒸し海老の作り方)
この記事では車海老の茹で方について、茹で時間、真っ直ぐ茹でるための串の打ち方、頭付きで茹でるのか?頭は外して茹でるのか?殻の剥き方、黒くなる原因等、海老を茹でる際のポイントについてまとめております。
背ワタの処理や活けの(生きた)車海老扱いは別記事にまとめておりますので参照ください
車海老の茹で方2種類
車海老の茹で方は大きく2種類御座います。
頭付きで茹でるか?頭を外して茹でるかです。それぞれのメリットとデメリットについて説明しましょう。
写真は頭付きで茹でた車海老と頭を外して茹でた車海老です。それぞれ殻を剥いております。頭付きの物の方が関節一つ分、多く身を残す事が出来るのが解りますでしょうか?
これは車海老の後頭部に当たる部分の肉が茹で身に残っている為です。(鮮度の悪い海老は後頭部の肉が溶け始めておりますのでこのように綺麗に頭が残ることは御座いません。)
頭付きで茹でるメリットはこの茹で身を大きく取れると言う事に着きます。しかしこのように茹で身を大きく取るには海老ミソの詰まった後頭部にしっかりと火を入れる必要があります。頭だけに火を入れる事も可能ですが、実用的ではありません。よって、身全体にしっかりと火を入れなければならないと言うのが頭を残すデメリットと言えます。
逆に頭を外して茹でるメリットと言うのは頭と身を別の茹で時間で調理する事が出来ると言う点です。
身は半生に火を通して、頭はしっかりと火を通して(もしくは揚げるなどの別の調理法をして)食べる事が可能と言うわけです。
これが頭を外すか、頭を残すかの大きな違いです。
車海老を真っ直ぐ茹でるには?(串の打ち方2種類)
さて通常海老というのは茹でると丸まってしまいます。
上の写真は生きた海老をそのまま茹でた写真です。
しかし、例えば寿司にする時など、海老が丸まってたんじゃ使い勝手が悪いという場合も御座います。
そんな時は車海老に竹串を打ってから茹でる事で丸まるのを防ぐ事が可能です。
竹串の打ち方は主に2種類御座いまして、
写真のように腹側に打つ場合と
写真の様に背ワタの位置に打つ場合との2種類が御座います。
尻尾を残して使う場合には写真の様に尾の先端に串の先が出る様に打つと尻尾が綺麗に開きます。
車海老の茹で時間
車海老とい言うのは実は茹で時間が非常に難しい食材です。
茹ですぎるとパサパサとした身になりますし、火入れが甘いと数時間で黒く変色してしまうからです。
殻だけが黒くなっていると思いきや
しっかりと海老の身まで黒変しております。
これは海老など甲殻類が持つ酵素が原因であり、レモン汁などで酸化を防げば多少は黒変のスピードを落とせはしますが、その効果も高々数時間。
しかし、幸いな事に黒変の原因である酵素はタンパク質であるため、熱を入れる事で黒変を防ぐ事が可能と言うわけです。
しっかりと火を入れてやれば1〜2日は黒変を起こさずに保存が可能ですので、ここでは火入れの目安を紹介したいと思います。
車海老の火入れの時間
車海老にしっかりと火が入ったかどうかは車海老自身が合図を出してくれます。
大きめの鍋にたっぷりと湯を沸かします。(竹串が引っかかる様な小さな鍋では合図を見落としてしまいます。)
沸騰したお湯にひとつまみの塩を入れ、海老を入れます。
しばらくすると沈んでいた車海老がふわりと水面に浮いてきます。これが車海老に火が入った合図です。フワリと浮いてきたら素早く氷水に取りましょう。
これで車海老は中までしっかりと火が入っているはずです。このまま出汁につけても、殻付きのまま冷蔵庫に入れても、殻をむいて寿司ダネとして保存しても1日は変色せずに保存できる事でしょう。
※氷水に取らずにザルにあげて覚ます方法もございますし、その方が旨味が抜けにくいと言う意見もありますが、氷水に取らずに覚ます場合は、余熱での火の入りを考慮し短めに茹でると良いでしょう。
また熱いうちに殻を剥くと海老は丸まりますので、しっかりと冷ましてから串を抜いてくださいませ。
車海老の殻の剥き方
茹で上がった車海老は殻を剥きます。
頭付きの場合はまずツノを持ち兜を外します。
次に
頭部の足を手で外していきます。
口の部分で引き抜けば
写真の様に頭を残して殻を剥く事が可能です。
尻尾はこの様に注意しながら外してやるか、
反対側に折ってやる事で綺麗に残す事が可能です。
尻尾の先と頭が綺麗に残る様に剥きましょう。
なお、尻尾自体を残す場合には
この様に尾先を整えてやると綺麗に見えます。
寿司用に開く場合には腹開きにし、
残った背ワタを掃除しましょう。
これで寿司ネタとして使う事が可能です。
紅白の色合いが華やかな車海老は、鮨以外にもお浸しや酢の物にもってこいです。
んー、んまい。
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