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春子の捌き方!3枚おろしと背開きの用途の違いや【酢締めの仕方】を紹介

手の平サイズの小鯛である春子(カスゴ)のさばき方、3枚おろしと背開きの違い、酢締めのやり方、美味しい食べ方をご紹介します。

目次

春子(かすご)とは?

春子鯛はマダイとチダイとキダイの幼魚の総称のことで、春子鯛という種類のタイは存在していません。3種類のタイの子どもが同じような場所で育ち、水揚げされる時に混ざってしまうので、一括りで春子もしくは春子鯛と呼んでいます。

タイの見分け方は、キダイは若干黄色が入っていて、チダイは背ビレの前2本が異常に長いタイです。マダイは背ビレの前の2本はそれほど長くなく、他の背ビレの長さと揃ったラインを描いています。

なぜ今回、春子を酢でしめるのかと言うと、手の平サイズの小さいタイは、刺身にしても身がゆるくて、あまり美味しくありません。焼いたり煮付けにするには、ちょっと身の脂気が足りません。タイの子供なので、身の旨味自体はある魚なので、お酢でしめると非常に美味しく食べることができます。江戸前寿司では、春子というと伝統的なネタになっていたりします。

タイは白身ですけれど、春子は皮付きで提供することが多いので、江戸前寿司だと光り物に分類されたりします。青魚と光り物は一緒だろうと思ってしまうんですけれど、青魚が苦手な人は、青魚の香り自体が苦手な方と魚の皮が苦手という人がいるので、青魚は苦手だけど春子は食べられるなんて人もいたりします。人の味覚というのは結構個人差があるものだなと思ったりもします。

春子の捌き方

ウロコをひきます。

頭を落とす時、斜に包丁を入れてもいいんですけれど、春子自体はそんなに身が厚い魚でもないので、真っ直ぐ切り落としてしまってもいいのではないかな。

血合いに包丁を入れて、内臓を洗い流します

魚を洗ったら、おろしていきます。マダイは骨が硬くて、ザ・さかなという形をしてるので、非常におろしやすい魚です。どのようにおろしてもいいですが、「3枚おろし」なら他の魚と一緒です。腹から包丁を入れて背中に包丁を入れて、普通に3枚におろします。

もしできるのであれば、挑戦してほしいのが「背開き」です。

春子は皮目が美味しいので皮ごと食べる魚なんですけれど、生のままだと皮が結構硬いので、皮に熱湯をかけて柔らかくするという工程があります。この際に、どうしても身の薄いお腹側の皮が丸まって反り返ってしまいます。背開きにすると、薄い皮が両サイドで繋がっているので反り返りにくくなります。

背開きは、魚の頭を上、背中を右に向けて、背中から包丁を入れて開きます。

背中は両サイドに包丁を入れます。

開いた真ん中の部分は断ち切ってもいいですし、左手で身を押さえて、お腹側までしっかり包丁を入れた状態で骨を押さえながら引っ張ると、簡単に抜けます。

最後の尻尾の付け根の骨を切り落とします。

これでお寿司屋さんでよく見る形になると思います。こうやって仕込んでおくと、効率良く作業を進められます。

開いたら、アバラ骨をかいて、残った中骨を抜きます。

春子はとても身が柔らかいので、骨を抜く時に、左手の2本で身の両サイドを押さえてから骨を抜くと、身が崩れにくいです。身が割れやすい魚は丁寧に扱ってください。

骨が抜けたら、春子の身の水分を抜いていきます。春子は他の魚に比べて身が柔らかいぶん、非常に味が入りやすいです。普通の感覚で塩をするとしょっぱくなりすぎる場合が多いので、今回は砂糖で身の水分を抜いていきます。砂糖のほうが塩に比べて分子が大きいので、ゆっくり身の水分が抜けていきます。砂糖でしめると甘くなる気がしますが、そこまで甘味が入るものでもないので、結構思い切って砂糖をしてしまって問題ありません。魚に塩を振るぐらいの感覚で、砂糖を振ります。

写真の大きさの春子で、大体10分ぐらい置いて身の水分を抜きます。

10分経つと、かなり水分が抜けます。ここで一度身を水洗いします。

春子の湯引きの仕方

水分が抜けて水洗いしたら、皮目を柔らかくするために熱湯に通します。ひとつまみのお塩を入れた湯に、春子を通します。湯に通す時は、網などに春子を乗せます。

皮目を熱湯に10秒経たないくらい落として、氷に取ります。

3枚おろしは、腹の薄い皮が丸まってしまって、丸まった部分には火が入りにくくなります。

背開きは、背中が丸まってはいますが、腹側は丸まっていません。腹のキワにウロコなどが残りやすいので、しっかり火を入れることができます。だから背開きのほうが、仕込みの作業がしやすいんです。

氷に落とした時に、軽く触ると簡単にウロコが取れるので、腹や尻尾のキワにウロコが残っていたら、きれいに掃除してください。

春子をザルに上げて、5分ほど斜めに立てかけて水気を切ります。湯に通すと皮が柔らかくなってるので、無理にペーパーなどで拭き取ったりすると皮がはがれます。立てかけて自然に水気を切るのがいいと思います。

酢への漬け込み方

水気が切れたらお酢に浸け込みます。コハダやサバは、単純にお酢だけに漬け込んでしまいます。でも春子の場合は、お酢だけだと酸っぱすぎてしまうので、薄口醤油少しと、みりんを少し加えた合わせ酢に浸け込みます。お子様に出す場合は、みりんじゃなくて砂糖でもいいと思います。

浸ける時間は、好みや合わせた醤油などの量によって変わりますが、大体、5分から10分の間で引き上げるとちょうどいいくらいに味が染みると思います。魚の鮮度や味の好みによるところが大きいと思うので、自分なりに美味しいと思う方法で浸けてください。

時間になったら酢から上げます。お酢から上げたてだと、まだ酢が全体に馴染んでいないので、中のほうは変に生っぽいというかグニュッとした食感が抜けきっていません。

春子の場合は、お酢から上げたら半日以上冷蔵庫で寝かせてから食べると、美味しく食べられます。お酢を軽く切って、ラップをして冷蔵庫で寝かせます。半日ほど寝かせて、ある程度身がしっかりとしまったら食べられます。

春子の酢締めの食べ方

食べる時は、どう食べても美味しいと思います。寿司屋さんではお寿司のネタのひとつとして扱いますが、お寿司にしなくとも結構美味しく食べられます。

つまみで食べる場合は、食べよい大きさに刻んで、軽く茹でて地に浸けたミツバなどの香りのある野菜と合わせて食べたら、美味しく食べられるんじゃないかな。菜の花や大葉など定番の野菜類と合わせて食べても、お刺身みたいにワサビと醤油で食べても美味しいです。

今回のYouTube動画

今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。

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