この記事では春子(カスゴ)について、旬の時期や、値段、食べ方、仕込み方をまとめております。
春子(カスゴ)とは?
春子(カスゴ)の特徴
カスゴと言う名前は良く鮨店で耳にするが、カスゴとは真鯛、血鯛(チダイ)、黄鯛の幼魚の総称でありカスゴと言う魚は存在しない。
小さな鯛を末っ子(カスっ子)と呼んだ名残とされる。
元々はチダイの幼魚のみをカスゴと呼んでいたようだが、真鯛、血鯛(チダイ)、黄鯛の幼魚は同じ群れを作る為、同時に水揚げされ、そのまま区別なく出荷される。
見た目も味もさして変わらないため、現在は3種類の区別なくカスゴと呼ぶようになったとされる。
春子の旬は?
カスゴの旬は春と思われがちだが、実はカスゴには旬がない。
と言うのも、カスゴは幼魚であり、産卵のために身の栄養が卵巣や精巣に回るという事がないからだ。
幼魚のうちから精巣や卵巣が発達している魚も多々見かけるが、鯛は寿命が30年と非常に長く、生後2〜3年ほどのカスゴは生殖器が発達する事はほとんどない。
そのためカスゴは一年を通して味が安定しており、季節による旬が無いと言える。
また、カスゴ自体が身の脂を楽しむ魚では無いことも要因の一つと言える。
カスゴの産地
カスゴは日本全国で水揚げされるが、豊洲市場で良く目にするのは神奈川、千葉、茨城、淡路。
カスゴと呼ぶには少し大きなサイズの鯛になると産地はばらつきだす。
カスゴの値段
カスゴは通年で流通し、主に鮨店しか取り扱わない事から、需要と供給のバランスが崩れる事がほとんど無い。
その為値段は1k当たり1500円〜2000円程度で安定している。
春子の食べ方
春子は小肌と同様で食べ方が限定された魚である。主な理由はその鮮度。
そもそも魚は小さい程鮮度が落ちやすく、またカスゴの身には脂が乗らない。
その為火を通すには旨味にかけ、刺身で食べるには鮮度にかける。
よって、カスゴは身を締めてから食べるのが一般的である。
身の締め方は、酢締めと昆布締め。
元々は酢締めが主な食べ方であったが、最近は流通が良くなった関係で、酢を使わずとも昆布で水気を抜くことで充分食べる事ができる。
また、昆布締めにする事でアミノ酸を足す事が出来る為、近年ではカスゴの昆布締めは全国で人気の食べ方となった。
ちなみにカスゴは江戸前寿司の代表的な鮨ネタの一つであり、
鯛の幼魚なので白身としたくなるが、江戸前では一般に光り物として扱う。
カスゴの仕込み方
カスゴの仕込み方は別記事に記す。