この記事ではヒラメの捌き方(5枚おろし)と昆布締めの作り方、また産地や養殖と天然の見分け方などを紹介しております。
ヒラメとは?
ヒラメはカレイ目ヒラメ科に属する魚の総称である。
左ヒラメに右カレイという言葉が表すように、ヒラメは腹を手前に置いた際、目が左による魚である。(カレイは右による)
カレイは10以上の種類を食用とするが、日本近海ではヒラメ科の魚はヒラメの1種のみを食用とする。
またヒラメやカレイは薄く広い体形から5枚おろしという特殊なおろし方をする。
※舌平目はヒラメと名がつくがカレイの仲間である。
ヒラメの旬
ヒラメは養殖が盛んである為、通年で流通するが、ヒラメの旬は冬である。
寒平目(カンビラメ)という言葉が示す通り、冬のヒラメは身に脂が乗り何とも言えない美味しさである。
身を開いてみて飴色(やや黄色がかった身質)をしていれば美味であると言えよう。
また夏場のヒラメは寄生虫による食中毒も起きる為、注意が必要。
ヒラメ(カレイ)のエンガワとは?
エンガワとは魚がヒレを動かす際に使う筋肉である。エンガワというとカレイやヒラメの印象が強いが、実際には全ての魚にエンガワが存在する。
しかし他の魚のヒレは体の一部分にしか付いていない。
ヒラメやカレイは平坦な体を覆うようにヒレが付いている為、商品として成り立つ量のエンガワを取る事ができる。よってエンガワというとカレイやヒラメのエンガワを指すようになった。
エンガワはコリコリとした食感と脂の乗りの良さから人気である。
ちなみに一般に流通するエンガワはカラスガレイやオヒョウといった大型のカレイ類のエンガワである。近年日本には大型魚のエンガワが冷凍されて大量に輸入されている。
ヒラメの寄生虫
ヒラメにはクドアという粘液胞子虫が寄生する。クドアによる食中毒は夏場から秋にかけて多く発生する為、旬からズレたヒラメは生食しない事を勧めます。
クドアは−20度で4時間以上、または中心温度で75度5分以上で病原性が失われる。
ヒラメとは逆にカレイ類は夏場に旬を迎える物も多い為、冬はヒラメを、夏はカレイを楽しんではいかがでしょうか。
養殖平目と天然ヒラメの見分け方
ヒラメの養殖、天然の見分け方は簡単で、白皮が綺麗に白い物が天然物である。
これはヒラメが保護色を持つことに起因し、天然ヒラメは右側面(目が付いていない面)を地面に着けて生活しているためにここに色が入らない。
一方養殖のヒラメは生け簀にて飼育されるため、右側面が海中に浮いた状態になる。そのため皮膚が保護反応を起こし、身に色が入り込むと考えられる。
ヒラメの産地
ヒラメは北海道から九州まで幅広く水揚げされる。
水揚げ量が特に多いのは青森や宮城、北海道である。
豊洲市場では房総や常磐などからの活け物も多く見られる。
ヒラメの値段
ヒラメは産地や大きさはもちろんだが、その状態により値段が上下する。
活け物(水槽にいれられ生きた状態)が最も高くk単価(1キロあたりの値段)3000円から8000円前後で取引される。
ついで浜締め(水揚げの時点で締められて市場に届く)の物がk2000円前後
野締め(意図的に締める事なく死んだ状態)のものでk1000円前後である。
ヒラメの5枚おろし
ヒラメやカレイは他の魚と違い、味が薄く幅広い魚体をしているため3枚おろしではなく5枚におろします。
また、皮が弱く身に傷がつきやすい為、コケ引きを使った鱗引きではなく、包丁を使って鱗を引きます。(スキ引き)
ヒラメは最初にヒレをハサミなどで切り離しておくと扱いやすい。
また活け物の場合は写真のように頭に包丁を入れて締めておくと身の食感が長持し、旨味の多い魚となる。
鱗を剥いだら頭を落とし内臓を綺麗に洗う。卵が奥に入り込んでいるので引き抜いておくと捌きやすい。
頭を落とした身は5枚におろす。
エンガワのキワと身の真ん中に包丁を入れる。
真ん中の切込みから徐々に開いていく。
骨に包丁を添わせるようにすると捌きやすい。片面で2回づつ、計4回おろす。
5枚におろした身はエンガワを外し、皮を剥ぐ。
エンガワの皮も引いておく。
ここまでがヒラメの捌き方。
ヒラメの昆布締めの作り方
ここからは昆布締めの作り方を紹介いたします。
5枚におろして皮を引いた身は昆布で締めることで旨味を増す。
身に薄く塩を振り軽く水分を抜く。
酒で戻した昆布でヒラメの身を包み、半日ほど寝かせる。
しっかりと味を入れたければ、3日ほど寝かせても良い。
※昆布締めは昆布で挟む時間が長くなるほど身の水分が抜けネットリとした食感に変わっていく。
いかがでしょうか?
釣りをする方であれば、食べきれないなんて事もあるかと思いますので、参考になれば幸いです。