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オコゼの捌き方とオコゼスープ(出汁)の取り方

オコゼと言う魚がおります。

ポテッとした体つきに、怒ったような顔立ちと、そして何と言っても背びれの猛毒から、オコゼは水族館では大人気の魚であります。

目次

オコゼとは

ご存知の方も多いかと思いますが、オコゼの背びれには猛毒があります。誤って刺されてしまうと患部がパンパンに腫れ、一晩は痛みに悶えるなどと言われておりまして、それが原因かは知りませんが、オコゼを捌いて提供する飲食店は多くありません。

つまりオコゼを食べる機会と言うのはほとんどありません。

敬遠されがちな魚ではありますが、冬のフグ、夏のオコゼと言われるほどにオコゼは美味しい魚でもあります。

猛毒があると言ってもオコゼの毒は背びれにのみある為、フグのように特殊な技術を必要とする訳ではありません。

背びれさえ取り除いてしまえば、あとは普通の魚と同様に、捌いて食べる事が可能です。

この記事ではオコゼの特徴と捌き方、オコゼの出汁(スープ)の取り方についてまとめて見ようと思います。

オコゼの旬

夏のオコゼと言われるようにオコゼの旬は夏、主に初夏です。通年を通して流通しますが、オコゼの産卵期は7〜8月。よって産卵前の春の終わりから、夏の始まりにかけてがオコゼの旬といえましょう。

旬と言ってもオコゼは脂を楽しむ魚ではありませんので、脂が乗ると言うことはありません。

その身に栄養を蓄えるため、身の旨味が増すと言う意味です。

活け物の捌きたてでしたらプリプリの食感を、締めてから数日寝かせれば、熟成された旨味を味わう事が可能です。

オコゼの主な産地

さて、通年を通して流通するオコゼですが、主な産地は西日本です。

瀬戸内や九州などが産地として有名です。大きなもので30センチ程まで成長するようですが、20センチ前後が基本的には流通します。

活け物(生きたまま市場に届く)活け締め(水揚げ後、産地にて締められる)野締め(水揚げの時点でお亡くなりになられている物)が流通しますが、刺身で食べるなら活け物か活け締めをおすすめします。

どの状態で仕入れても、捌き方は変わりませんので、下の記事を参照ください。

オコゼの捌き方

活けの状態で仕入れたオコゼは先ず始めに神経締めを行います。神経を締める事で鮮度が長持ちしますんでね。

首の後ろから包丁を入れ中骨を断ち切ります。

魚が暴れる事がありますので、タオルや軍手をはめて、決してオコゼの毒針が手に刺さらないように注意しましょう。

横から見ますと図のような状態です。尻尾の中骨も断ち切ってあります。ここから針金などを使い中骨にある骨髄を抜く方法もございますが、オコゼなどの小型の魚の場合は省略しても構いません。

神経を締めたら先ずは毒針のある背びれを抜いてしまいましょう。頭を右に向け背びれのキワに包丁を入れます。

身を返し、反対側からも包丁を入れましょう。しっかりと包丁が入れば

包丁の刃元で背びれを抑え、オコゼを引っ張ると写真のように背びれを抜く事が可能です。

こうする事で、毒針が手に刺さる危険性はグッと低くなります。取った背びれは注意しながらゴミ箱へ捨てましょう。私はペーパーなどに包んで、決して刺さらない状態にしてからゴミ箱へ入れております。

次に身を捌いていきます。

胸ビレの下から包丁を入れ頭を落とします。

皮が伸びて慣れないうちは捌きにくく感じるとは思います。皮を引っ張りながら捌いていきましょう。腹を割って内臓を取り除き、ここで一度水洗いをします。

このような状態になっているかと思います。次に外側のゼラチン質の皮を向いていきます。外側の皮は手で引っ張る事で簡単に向けます。

このような状態になれば、後は普通の魚同様に、三枚おろしにするだけです。

オコゼの調理方法

さて、オコゼを捌いたら調理しなくてはなりません。刺身で食べるのであれば、身の薄皮を引きましょう。

この薄皮は刺身で食べるには少し食感が硬いため包丁で剥がします。

写真のように包丁をまな板に押し付けるようにしながら皮を左手で引いていきます。

これで薄皮の処理は完了です。

刺身にするのであれば、薄造りがオススメです。

外したゼラチン質の外皮や、肝はさっと湯がいて添えても良いでしょう。

オコゼのスープの取り方

さて、オコゼとは非常に歩留り悪い魚でもあります。上記のように刺身にする場合、1匹から取れる刺身の量は非常に少なくなってしまいます。

しかしオコゼの魅力はその身の旨味だけではありません。

オコゼは煮込む事で非常に美味しいスープを取る事が出来ます。

手間ではありますが、このスープ無くしてオコゼの魅力は伝わりませんので、オコゼの出汁の取り方を説明させていただきます。

オコゼの出汁は主に、頭と中骨から取ります。

それぞれ下処理をしないと臭みの原因になりますので、下処理をしましょう。

オコゼの頭は写真のように梨割にします。

包丁を使い付け根からエラを外します。

内臓や血合いも綺麗に洗い流しましょう。用途に応じて頭とカマを分けても良いでしょう。

この頭と中骨はそのまま煮込むと臭みが出てしまいますので、湯引きにします。

沸騰したお湯にさっと潜らせ、氷水に落としますと写真のように表面のぬめりが白く浮かび上がります。

これを丁寧に擦り落としましょう。

これで下処理の完成です。後は昆布を一欠片入れた湯で茹でればオコゼのスープの出来上がりです。

青菜を添えれて盛りつければ完成です。

表面のゼラチン質がスープに溶け出し、なんとも品のあるスープですので味付けは塩と酒で充分といえましょう。

んー、んまい。

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