12月になりますと世の中何かと忙しくなりますが、この時期の恒例行事に1つにイカの塩辛の仕込みがあります。
スーパーやコンビニでも気軽に買えはしますが、やっぱり自家製のイカの塩辛は別物。着色料も保存料も入っていませんし、イカの皮を剥いてやれば歯切れも良いですからね。(市販の塩辛はイカの皮が剥かれていないことがほとんどです。)
イカの塩辛にはどのイカを使う?
イカの塩辛にはスルメイカを使いますが、ネットで検索してみますとスルメイカの旬は夏と言われております。それはスルメ漁の最盛期が夏場と言う話でありまして、塩辛を作るなら冬場の肝が大きく成長したスルメイカがオススメです。
後ほど書きますが、塩辛は冷凍保存も可能です。年末にまとめて仕込んでしまえば、正月休みのお酒のつまみにはもってこいですしね。
今回は水気をしっかりと飛ばしたねっとり濃厚な塩辛の作り方をご紹介します。しっかり水気を飛ばすことで保存性が高まりますし、イカの旨味も凝縮されますんんでね。
それではイカの塩辛の作り方を見ていきましょう。イカの塩辛は肝と身で別々に水分を抜く必要がありますので、肝と身、それぞれに分けて説明いたします。
スルメイカの捌き方
先ずはスルメイカを仕入れましょう。塩を降って水分を飛ばすまでは一般的なイカの捌き方と変わりありません。
目利きのポイントとしましては身に張りと照りがあり、胴体が大きなものが良いでしょう。肝が大きな物の方が美味しい塩辛に仕上がります。
次にスルメイカを捌いていきます。
先に肝を抜いてしまう方法もありますが、失敗すると肝や墨袋が破れてしまいます。ですので渡利ではこのように身の真ん中(中骨がある部分)に逆さ包丁を入れます。
包丁目に沿って身を優しく開いていき、
このように大きく開いたら、イカのゲソを掴んで肝を胴体から外します。
こうすることでイカの肝や墨袋を破くことなく捌くことができます。
取り出した肝には墨袋がついたままになっております。イカのゲソに近い部分がイカ墨の噴出口です。
このようにつまんで剥がしてしまいましょう。なおこの墨袋はイカスミパスタなどに使うことも可能ですし、墨袋つきのまま塩辛を作れば、黒作りと言われるイカスミ入りの塩辛を作ることが可能です。
墨袋や細かな内臓を外した肝は
このように肝の付け根で外しましょう。
これで肝を取り外す事ができました。余ったゲソは塩辛に混ぜることも可能ですが、食感や保存性が悪くなりますので、炒め物などにして食べてしまいましょう。
これで肝の処理は完了です。
残ったイカの身は皮を剥いておきましょう。皮付きのまま塩辛を作る事も出来ますが、皮は固く食感が悪くなってしまいます。多少面倒ではありますが、イカの皮はしっかりと剥いておきましょう。
イカの肝の塩漬け
捌いたイカの水分を抜いていきます。
先ずは肝の塩漬けについて説明いたします。イカの肝は薄皮で覆われていますので、強めに塩をして水分を抜いていきます。
写真のようにたっぷりの塩をふり冷蔵庫で1晩寝かせましょう。塩分が強すぎると感じる方もいらっしゃるとは思いますが、この塩が弱いと独特のねっとり感が出ずに、シャバシャバの塩辛になってしまいます。
またイカの身の方の塩を弱くする事で塩辛の塩分調整が可能です。思い切って塩を降ってください。
1晩経ったら周りの塩を水で洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。
肝から水分が抜けてねっとりとしている様子が伝わりますでしょうか?
肝を写真のように開き
包丁の背で刮げて肝の中身を取り出します。
この肝を包丁で叩いて細かくして
ボールなどに入れておきましょう。これで肝の処理は完了です。
イカ身の塩漬けと乾燥
肝から水分を抜くのと同時進行で、イカの身も塩をし、干していきます。
捌いて皮を剥いたイカの身に、酒と塩をします。肝にしっかりと塩気を入れておりますので、身の方は塩分を控えめにしましょう。このままラップをかけずに冷蔵庫で乾燥させます。
干物の作り方(冷蔵庫の風を利用した風干し)に近いと思ってください。
ある程度水分が抜けたら
このように細切りにしましょう。あとは先ほど作った肝と和えるだけです。
塩辛の作り方(肝と身を和える)
細切りにしたイカの身と叩いた肝を会えればイカの塩辛の完成です。
ボールに入れ良く和えましょう。直ぐに食べる事も可能ですが、このまま冷蔵庫に入れ3日ほど熟成させれば、肝と身が馴染みより美味しくなります。
好みに合わせて柚子や唐辛子を入れても良いですし、醤油の香りを添えても美味しくいただけますね。
3日ほど熟成させた塩辛は小分けにして冷凍する事で長期保存が可能です。
解凍して柚子でも刻んでやれば
いつでも美味しい塩辛を食べる事が可能です。
こいつに合わせるのは、日本酒か焼酎か・・・
さて、今晩は何を飲みましょうか。
んー、んまい。
イカの塩辛の悪くなったか見分ける方法
多少話はそれますが、塩辛や干物などの保存性を高めた食品は痛んで食べる事が出来ないのか?熟成して旨味が増したのか?見分けが非常に難しい面があります。
扱いに慣れていないと、冷蔵庫に眠っていたからと食べずに捨ててしまったなんて事もあるのではないでしょうか?
今回はイカの塩辛が痛んだサインを書いていきます。
- おかしな臭いがする
- 表面にカビが生えてきている
- イカの身がざらつく
イカの塩辛が悪くなる代表的なサインは上記の3つです。
匂いとカビに関しては本能的に食べることは無いかとは思いますが、一番見分けが付きにくいのは、イカの身がザラつくという事では無いでしょうか。
イカを扱った経験があればわかるかと思いますが、イカというのは、痛み出すとその表面がザラつき始めます。塩辛にしても同様でして、肝は痛んでいなくても、身が先に痛み出すという事もおきます。
口に入れた際に、イカの身がざらついている感覚があれば食べない方が無難でしょう。
以上簡単ではありますがイカの塩辛についてでした。
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