以前の記事で説明した通り、鰤もハマチも同じ魚です。
ブリとハマチの違いは、関東では天然が鰤、養殖がハマチ。関西では成魚が鰤、成魚の一歩手前がハマチということになります。
成長過程が違うだけで、味は大きく変わりますが、実際には同じ魚です。捌き方から食べ方まで同じと言えましょう。
生で食べる刺身と違い、ぶり大根は火を入れる、味を絡ませるという作り方をします。その為、ブリとハマチの違いをストレートに感じづらい食べ方と言えます。
さらに言えば、ハマチの方がブリよりも脂が乗っている為、人によっては煮付けや焼き魚にするのであれば、ブリとハマチではハマチの方が美味しいと感じる方もいるかと思います。
ブリで作ればぶり大根、ハマチで作ればハマチ大根、と思いきや、ぶり大根の語呂の良さからでしょう、ハマチで作ってもぶり大根として提供するお店が多いのが実情でしょう。
ブリとハマチの違いについては別記事で詳しくまとめております。
ぶり大根の作り方(ブリの美味しい食べ方)
ブリを丸ごと仕入れる機会がある方は基本的には飲食業の方でしょう。ブリの捌き方は三枚おろしですので、魚のおろし方をご参照ください。
今回紹介するぶり大根の作り方はぶりと大根を別々に煮て最後に合わせると言う作り方です。煮物(炊き合わせ)の基本の様な料理ですので、多少手間ではありますが、興味のある方は覚えてくださいませ。
押さえておきたい煮魚のポイントは
- 魚の臭み抜き
- 煮汁の量
- 煮る時間
の3点です。肉を煮る場合と異なり、魚は火を通し過ぎるとパサつきの原因となります。
上記の3点を意識すれば、自然とふっくらとした煮魚が作れるはずです。
それではぶり大根を作りましょう。
あらかじめ大根に火を入れておきます
まずは大根を茹でておきましょう。完全に火を入れてしまって構いません。好みの大きさにカットし、竹串がスッと入る程度の柔らかさになるまで火を入れてください。
とことんこだわると言う方は、米のとぎ汁で大根を茹でましょう。大根のアクが抜けますのでね。
私は家で作るときは気にせず水で煮てしまいます。
ブリの臭みを抜きましょう
同時進行でブリを料理していきます。
一般にはみなさま、切り身の状態で購入されている事と思います。
魚と言うのは、どんなに鮮度がよくとも、独特の臭みがあるものです。まずは魚の臭みぬきをします。
薄く身に塩をふり5分程置いておきましょう。甘めがお好きな方は少しだけ砂糖を混ぜた塩をふりましょう。煮つける時に甘さが身に入りやすくなりますんで。
5分程経ちますと、写真の様に表面に水分が浮いてきます。この水分には魚の臭みが含まれておりますので、水で洗い流しましょう。
水で洗ったブリは熱湯に落とし氷水に取ります。塩をし、水で洗い流しても、やはり臭みは抜けきりません。熱湯に一瞬通し、表面を固める事で臭みが出にくくなります。
ここから煮ていきます。
ぶり大根に限らず煮魚と言うのは煮込むのでは無く、煮付ける。
味を含ませると言うよりは、濃いめの煮汁を身に絡めて食べるイメージです。お分りいただけますでしょうか?
ブリが少し隙間を空けて並べられるくらいの鍋を用意し、ブリと事前に火を入れておいた大根を並べます。あまりに大きいと煮汁が回りきらず、小さいと身が重なってボロボロになってしまいますんでね。
次に水:酒:みりんを約3:1:1の割合で鍋に張り、砂糖を一掴み加えます。
正確に測る必要はありませんが、写真の様にブリが6〜7割ほど浸かる程度に酒水を張ります。みりんは照りを出しますし、酒は臭みけしの効果も期待できます。(醤油はまだ加えません。)
酒と水を鍋に張ったら砂糖を加えます。甘めがお好きでしたら気持ちより多めに加えましょう。
煮汁の量は魚の6〜7割りが浸かるくらいです。
煮汁が沸騰したら、醤油を少しだけ加えアルミ箔で落としぶたをします。
火加減は中火。煮汁がフツフツと沸きながら、落としぶたを軽く押し上げる様な火加減にしますと、自然と煮汁がブリの上を対流します。
写真の様に煮汁が煮詰まったら、また醤油を少し加えます。ここまで約8分と行ったところですかね。
煮汁がだいぶ少なくなってきておりますので、ここからはお玉などで煮汁を掬いながら、ブリと大根に回しかけます。
最後に醤油で味を整え、ブリと大根に照りが出るまで煮詰めたら完成です。火にかける時間は15分程です。ブリの中まで味を入れるのではなく、ブリや大根の周りに濃いめの煮汁が絡みつく料理をイメージしてくださると、分かり易いかと思います。
ネギや薬味を添えてお召し上がりください。冬の代名詞みたいな料理ですんでね、そりゃーもう、んまいですよ。
一度覚えてしまえば、比較的簡単に作れますので、是非挑戦してみてくださいな。
ではでは、またの更新をお待ちくださいませ。