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これはダメ。包丁の研ぎ方・悪い見本

包丁について何記事か書いて参りましたが、これが良い、こうするべきだ。なんて事ばかり言っても伝わり難いだろうと思いまして、今回は包丁の研ぎ方の悪い例を集めてみました。

まぁ職場がある程度大所帯なんでね。他の飲食店に比べ、中途採用も多いもので・・・

もちろん綺麗に研げてる方も多々おられますが、2〜3年ごとに職場を転々としてきた人間も多いわけで、包丁についていまいち理解が無い人間も多いのが実情です。

まぁ、そんな人に聞くと、驚くことにみんな自分はちゃんと研げてると思ってるんですよね・・・・

悲しい話ではありますが、大半の板前はそんなもんです。

この記事を読んでくれているということは、ちゃんと包丁を研ぎたい、包丁を綺麗に使いたい、包丁を長く使いたいと思っている皆様でしょうから、今は出来なくとも、数年後には綺麗に包丁を使えている事と思います。

そんな方達に少しでもお力添え出来ればなんて思いまして、この記事を書かせて頂きます。

目次

包丁の研ぎ方・悪い見本

シノギ筋が綺麗に作れていない真っ直ぐな包丁

まずはこの包丁。普通ならば切っ先にかけてシノギ筋がもう少し上がっていき、。それに合わせる様に切っ先も上がっていかなきゃなりません。しかしこの包丁は切っ先にかけて直線的な研ぎをしています。これじゃぁ、柳葉包丁の意味がありません。包丁の幅から見るに、数年間、研いでいるのでしょう。切っ先は縁を描く様に研ぐと改善されるはずです。

そもそも包丁の構造を理解していない

この包丁の持ち主はそもそも、切っ先がRを描いている意味を理解していないのでしょう。何度も言っていますが、シノギ筋が包丁の形を作ります。包丁の研ぎ方の前に包丁の形を、切っ先の意味を理解しないといけません。また、シノギ筋に比べて切刃も非常に狭くなっております。刃先を作るのはシノギ筋と言う事を考えながら研ぐと少しは変わるはずです。

包丁の切っ先・・・

包丁の切っ先は尖らせるべきかどうか?考えた事はありますでしょうか?

丸まった切っ先で板場に(お客さんの目の前に)立つ。

板場は舞台です。ピンとした緊張感を板前は指先まで感じなきゃ勤まりません。

終わりよければ全てよし?違うでしょ。商売としてお金をいただく以上、全て良くても100点かどうかわからないのが飲食店。

切っ先の気の緩みはどこかで仕事に現れる。そう私は考えます。

一見良さそうに見えますが

さて、お次はこの包丁。一見良さそうに見えますが、包丁の真ん中あたりがコンコルドになっております。(刃線が凹んでしまっている)

刃線が曲がってちゃ刺身が真っ直ぐ切れないじゃありませんか?

切れたとしても、それは技術とは言わないんす。それは誤魔化してるだけ。

包丁研ぐのって難しいですね。

最後に・・・

さて、最後にこの包丁。使って時間が立っているからか、多少のサビが包丁に見えますが、おそらくは丁寧に手入れされていたであろう包丁。

切っ先に向けて、なだらかなカーブを描いており・・・・描きすぎです。

そして切っ先もう少しシノギ筋が上がって、顎に向けて直線的な刃線を描いていれば、とても綺麗な包丁だと思えます。

ここまで研ぐ事が出来るなら、少し、ほんの少し包丁の形について考える時間があれば綺麗な包丁になりそうですがね。

まとめ(この辺でおしまいです9

さて、いかがでしたでしょうか?

ここまで散々偉そうな事を言ってしまいましたが、少しは参考になったでしょうか?

ま、包丁が研げたからって美味い料理が作れるわけじゃ無いんでね。

料理と包丁は親戚みたいなもんで、決してイコールじゃありませんが、少しでも良い料理人に近くためには通らなきゃいけない道だと思っております。

ではではごきげんよう。

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