ご家庭でも簡単に作れる恵方巻きを紹介します。冷めてもおいしいというコンセプトで、具材の選び方、シャリの作り方、綺麗に巻くコツをご説明します。
恵方巻きの具材の選び方
恵方巻きは七福神になぞらえて食材を7個入れるというのが定番です。今回は卵、きゅうり、ガリ、たくあん、エビ、かんぴょう、アナゴと7種類の食材を使って作ります。
選び方のポイント1
まず魚介と野菜の組み合わせです。アナゴやエビの旨味をしっかりと入れます。アナゴはスーパーで手に入りづらかったら、おぼろやデンブなどの魚介系の旨味を加えます。
選び方のポイント2
甘さと塩気のバランスをしっかり取ることです。かんぴょう、アナゴ、卵は甘めの食材なので、それに負けないようにたくわんやガリなどの食感や塩気が効いていて口の中で存在感があるものを組み合わせます。
選び方のポイント3
いろいろな食感の食材を合わせることです。アナゴや卵はフワッとした食感で、エビはプリプリとした食感が楽しめます。かんぴょう、きゅうり、ガリ、たくあんは、ある程度硬さの残ったシャキッとした食感が楽しめます。味、食感、旨味それぞれが違うものを組み合わせることがポイントです。
バラバラの食材を組み合わせて味がまとまるのかと思うかもしれませんが、卵は意外と魚介と酢飯と野菜をうまく調和する味をしています。いろいろな食材を組み合わせる際は、ぜひ卵は入れていただきたいです。
シャリの作り方
今回は炊飯器を使ってシャリを作ります。分量はコシヒカリ420gに対して、お水450gを用意します。
研ぎ方
軽く研いでから炊飯します。研ぐ時はサッと水に浸けて表面の糠を落として、水を2~3回取り替えます。最近のお米は精米技術が発達していて籾殻が残っていることはありません。あまり強く研ぎすぎるとお米が割れるので、ササッと水で表面の糠を落とします。
お米の種類
恵方巻きを家庭で食べる際は、作ってから食べるまでの時間が長いと思います。時間をおいて冷めたお米を食べる場合は、やっぱりコシヒカリのほうが美味しく感じるので、僕はコシヒカリを使用しています。
ちなみにお寿司はできたてを人肌程度の温度で食べることが多いので、コシヒカリとササニシキ系のさっぱりしたお米をブレンドして、水を少なめにしてもちもち感が出すぎない状態でシャリを作ります。
炊飯
お米を研いだら炊飯します。お米を炊く際の注意点は、炊飯のモードを真空モードにしないことです。真空モードにすると水蒸気の飛びが弱いので、水を減らして固めの仕上がりにしようとしても、もちもちなシャリになってしまいます。
合わせ酢
お米を炊いている間に合わせ酢を用意します。お酢70ml、砂糖15g、塩を15gを合わせます。
お酢は人によりけりですが、僕は酒粕ベースのお酢を使っています。酒粕ベースのお酢はなかなか手に入りにくいので、お米から作った米酢を使ってもよいと思います。
砂糖は一般に売ってる上白糖でいいですが、塩は多少いい塩を使ったほうが美味しく感じます。ちょっと奮発していい塩を使ってみてください。
通常の合わせ酢はお酢、砂糖、塩で完成ですが、今回は家庭で作ってちょっと時間がたってから食べることを前提に作っているので、油を大さじ1程度加えます。酢飯に油ってなかなか抵抗があると思いますが、韓国の巻物のキンパは、ご飯に胡麻油を合わせています。胡麻油の効果で口の中での解けがよくて、冷めてもおいしく食べられます。
今回使う油はMCTオイルという無味無臭の油です。作りたてを食べる場合は油を加えなくてよいですが、今回は作り置きをする前提なので冷めてもシャリのバラけがいいように加えます。
MCTオイルってなかなか聞き慣れない油だと思うんですが、脂肪燃焼体質といってボディビルダーやアスリートの方が愛用している油です。脂肪を燃やす効果があったりと、意外と面白い性質があるので気になった方は検索してみてください。
シャリの切り方
通常は半切りという木の桶のようなものを使ってシャリを切ります。家庭ではなかなか道具も揃わないと思うので、大きめボウルでシャリを切ります。
シャリを切るタイミングは炊飯が完了してすぐです。ご飯が熱々のうちにシャリを切ります。ご飯が冷めてからだとご飯が酢を吸わずに、冷めたお茶漬けみたいなボロボロのシャリになってしまいます。全然おいしくないので、必ず熱々のうちにシャリを切るようにしてください。
ご飯をボウルに開けたら、酢を全体に回しかけてむらなくシャリを切ります。シャリを切る際はお酢がどんどん下のほうに溜まるので、上下を返すようにしてお酢を全体になじませます。
ある程度お酢がお米に行き渡ったら、ご飯を切るように混ぜ合わせます。半切りを使ってシャリを切る場合は、しゃもじの弧を描いてる面を上にして、ご飯を半切りの壁にぶつけるようなイメージで切っていきます。ボウルとしゃもじで切る場合は、そこまでこだわらなくてもよいのかな。
全体にしっかりとお酢が行き渡ればいいでしょう。油を加えているので通常のシャリ切りよりも、だいぶシャリは切りやすいので、家庭で作る分には手軽でよいのかなと思います。
シャリが切れたら、濡らしてきつく絞ったサラシなどを上にかけて、このまま常温に冷まします。
食材の切り方
シャリができたら、食材をそれぞれ食べやすい大きさにカットしていきます。
きゅうりの切り方
きゅうりは半分に切ったあとに薄くスライスして、細めに切ります。あまり細く切り過ぎると食感がなくてつまらないし、かといって大きく切りすぎると食感が強すぎて口の中で主張し過ぎます。程よい太さに切るようにしてください。僕の好みは大体1.5mm✕1.5mmぐらいの大きさを目指して切っています。
きゅうりを切ったらペーパーなどの上で、薄く塩を振ってきゅうりの水気を抜きます。時間が経って食材の水分が巻物に染み出してくると、ご飯がぼろぼろ崩れて食べづらい巻物になってしまいます。作り置くことを前提に調理をする時は、細かい処理が意外とおいしく食べるコツだったりします。
ガリの切り方
ガリも同様にスライスします。ガリはきゅうりよりも多少短い大きさで、細かく千切りにします。ガリも水気をしっかりとペーパーで切っておいてください。
エビの切り方
エビは半分に開いて背ワタを抜いて、半分に切ります。
アナゴの切り方
アナゴがいびつな形をしている場合は、半分に切って大きさと太さを揃えておきます。
卵焼きの切り方
卵焼きは適当な大きさに切り分けるだけです。卵は食感が柔らかいので、多少大きくてもまとまりがある味に仕上がります。
巻く前の準備
手酢の作り方
お寿司を握る時もそうですが、お水にお酢を少々加えた手酢を用意します。手酢で手をしっかりと濡らしながら作業をすることで、お米が手にくっつかなくなります。
海苔の準備
恵方巻きの場合は中巻という、細巻き以上太巻き未満みたいな巻き方をするので、半分に切った「半裁」という海苔を縦に使って巻いていきます。
恵方巻きの巻き方
巻き方
手に手酢をなじませてご飯を一握り掴み、海苔の上にフワフワッと棒状にご飯を延ばします。最初に掴むご飯の量で中巻の太さが決まります。あまりご飯が多過ぎると仕上がりが太くなって非常に食べづらい恵方巻きになります。ご飯の取り過ぎには注意してください。
次に、ご飯を下に延ばしていきます。ポイントはしっかりと手酢を手になじませて、左側のごはんを延ばす際は、左手で海苔の縁に壁を作って下に延ばします。右側のごはんを延ばす際は、右手で壁を作って下に延ばします。
ご飯を全体に延ばす作業が終わったら、多少できてしまうムラを均一に延ばします。
ごはんの上に具材を加えます。具材を入れる順番はきゅうりやガリなどの崩れやすい食材を先に入れて、ご飯の底のほうに入れます。
バラけやすい食材の上から、かんぴょうや卵などの比較的バラケづらい食材を重ねていきます。こうすると巻く際に具材がバラバラと崩れることなくきれいに巻きやすいです。
具材を重ねたら巻いていくんですが、まずは手で巻きます。手前の海苔の縁を持ち上げて、具材の終わりの位置に海苔の端を合わせるように巻いていきます。あとはグルグルッと巻物を回します。
巻きすの使い方
グルグルッと巻いたら、上から巻きすをかけて形を整えます。巻きすの使い方は、親指と指4本を使って、横からご飯を押すような形で使います。
すると、きれいな半円形の巻物ができます。これで恵方巻きの完成です。抑えるときに上を抑えると四角い巻物になりますが、上を抜けばしっかりとご飯の逃げ道ができて、山型の形になります。そうやって巻くとご飯が固くなり過ぎず、ご飯がつまり過ぎない巻物ができます。
何個か同時に巻く場合は、海苔を何枚か敷いて端から順に作業を進めていきます。3本4本一気に海苔を敷いて、ご飯を延ばして具材を乗せます。手で巻き終わった恵方巻きを一列に並べて、巻きすで上から押さえていくと、非常に効率よく恵方巻きができます。ご家族がいる方はこんな感じで作ってみてください。
今回のYouTube動画
今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。