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【プロが教える】サクッとフライを揚げるコツ【コハダの捌き方】

コハダのフライの作り方をご紹介します。コハダは酢締めのイメージがありますが、フライにしても美味しく食べることができます。アジフライとも違うコハダのフライをぜひお試しくださいませ。

目次

コハダのさばき方

まずは背ビレを落とします。尻尾に近い背ビレの1本が長いんです。短いヒレだけ落として、長いヒレが残ったままなことがあるので、必ず尻尾寄りの長いヒレも一緒に切り落とすことがポイントです。

包丁でウロコをかいて頭を落とします。お寿司にする場合は尻尾を落としますが、フライにする場合は尻尾を落とさずに仕込みます。

お腹は縦にまっすぐバスッと落としてしまいます。ヘソの部分から開くのではと思うかもしれないんですが、コハダの腹の先の部分は骨が深く食い込んでいるんです。腹を開いても、骨が皮の手前ギリギリまで詰まっているために骨っぽくて舌に当たります。なので、まっすぐ腹を切り落とすようにさばきます。

頭と腹を落としたら、内臓を軽く指でかき出して、一度氷水につけます。

内臓部分に血合いがたまっているので、軽く掃除します。

腹を掃除したらコハダをさばいていきます。背中から開くとアバラ骨が身に残ってしまうので、腹開きにします。頭側の腹の位置から包丁を入れて、中骨の上を這わせていきます。背中を突き破らないように、包丁の切っ先を左手の指で感じながら包丁を通します。

包丁が通ったら自然とコハダが開きます。

裏返して軽く手前の身を持ち上げながら残った骨を抜きます。慣れないと包丁が骨に引っかかって、なかなかうまく切れないと思いますが、慣れればサクッと作業ができます。

腹開きにしたら、残った骨をすき取ります。

開いた真ん中に背ビレの硬い骨が残っているので、軽く浮かせて取り除きます。こうすることで口に入れた際に骨が気にならないフライができます。この骨を取るのもポイントのひとつです。

尻尾の骨が残っていたら、なるべくキワまで落とします。

アジは背開き・コハダは腹開き

イワシやコハダのように腹骨の関係で背開きが難しい魚は、腹開きにするのが一般的です。アジフライは、腹を落とさずに背中から開く背開きが多いです。なぜアジは背開きにするのかというと、基本的に魚は背中に厚みがあるので腹開きにするより背開きにしたほうが身が大きく見えるからです。それと、腹っぺりは皮が薄いので火を入れたときにくるくると丸まって反り返ってしまうんです。背はしっかり肉があって火を入れても反り返りづらいので、アジやキスを揚げる際は背開きにします。

アナゴやウナギは、武士の切腹の関係で関西は腹開き、関東は背開きといわれたりしますが、コハダ・キス・アジに関しては、骨の関係で腹開きと背開きに分かれているのです。

コハダの臭みの抜き方

続いてコハダの臭みを抜きます。このまま揚げたくなりますが、このまま揚げるとコハダの生臭さが残ります。海水よりちょっと薄いぐらいの、まだ舐めれるかなぐらいの濃度を目安に塩水を作ります。そこにコハダを30秒ほど落とします。浸ける塩水の濃度が濃すぎると仕上がりがしょっぱくなってしまいます。

30秒ほど経ったら、ザルにあげて軽く水気を切ってペーパーの上に置きます。コハダの上にもペーパーをのせて、そのまま冷蔵庫で30分ほど休ませます。コハダの表面に残った塩気でコハダの臭みが抜けます。それと同時にコハダの水分も抜けるので、揚げた時に仕上がりの衣がゆるくなりにくい効果もあります。

コハダの揚げ方

30分ほど経ったら、衣をつけて揚げます。用意するのは小麦粉・溶き卵・パン粉です。卵は、溶いただけではコハダへの絡みが悪いので、少しの水と小麦粉を加えます。卵の割合が強めの天ぷら粉を作るようなイメージです。こうしておくと、小麦をつけたあとに卵液の絡みがよくなります。

準備ができたら、軽く小麦粉をつけて卵液にくぐらせてパン粉をつけます。パン粉をつけたらペーパーの上で軽く休ませます。パン粉が粗いときれいにコハダを覆うことができません。そういったことも含めて、僕は細かめのパン粉が好きです。

あとは適量の油で、適度な温度で揚げるだけです。揚げ物をする際の適温はどうやって見極めるかというのは、常々疑問に思っているかもしれません。適温は、だいたい170~180度といわれています。

料理をやる人間は、いちいち油に温度計を入れて測るようなことはしないので、卵液や天ぷら液を油に落として、2~3秒して粉が固まって浮いてくるぐらいの温度にします。これがだいたい170~180度です。温度が高すぎると揚げ玉はすぐに焦げてしまい、温度が低すぎると液を落としても全然浮いてきません。

温度が丁度よさそうなら、衣をつけたコハダを油に落としてゆっくり火を入れていきます。揚げ物は、油の温度をうまくコントロールすると、サクッとパリッと上手に作ることができます。

泡の具合や音の感じを見て、温度が低そうだなと思ったら多少火を強めたり、逆に温度が高いようなら火を弱めたりと、うまいこと調整しながら料理をするときれいな揚げ物を揚げることができます。

少なめの油で揚げると、最初に入れたほうはきれいに火が入っているのに、あとから入れたほうは若干火の入りがあまくなります。これは2個目のコハダを入れた時に油の温度が下がってしまったからです。この辺をいかに上手にコントロールするかが料理の醍醐味であったりコツや楽しさであったりします。

しっかりとコハダに火が入って、表面がきつね色に揚がってきたらコハダを油から取り出します。油から揚げる直前に、一瞬だけ火力を強めて油の温度を上げると、油のキレがよくなり表面がよりサクッと仕上がります。これは揚げ物を揚げる際のポイントのひとつです。

コハダのフライの盛り付け

揚がったら器に盛り付けて完成です。アジフライはキャベツの千切りやタルタルソースなどで食べる場合が多いですが、コハダのフライは塩とスダチがお勧めです。もちろんタルタルソースで食べても美味しいですし、ポン酢などいろいろな調味料も合います。辛みが欲しい場合は一味かブラックペッパーとも相性バッチリです。お好きなようにお召し上がりください。

酢締めが一般的なコハダでフライを作ると、目先の変化になって普段食べることのない美味しさの料理になります。コハダの酢締めに食べ飽きたら、ぜひフライも試してみてくださいませ。

今回のYouTube動画

今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。

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