芝エビを使った伊達巻の作り方をご紹介します。すり身の作り方、焼き方、巻き方を説明していますので、ぜひお試しくださいませ。
伊達巻とは?
今回ご紹介する伊達巻は、寿司屋さんで出すカステラのような玉子焼きの焼き方に非常に近いです。何が違うのかと言うと、カステラ玉子は山芋でつなぎますが、伊達巻の場合は山芋でつながずにエビのすり身の粘りで卵をつなぎます。あとは、カステラ玉子よりちょっと薄めに焼いて最後に丸め込むという作業をするという違いです。カステラ玉子が焼ければ、伊達巻は簡単に焼けます。
今回の伊達巻は芝エビで作りますが、魚のすり身やはんぺんを使ってもできます。ネットで調べれば、簡単に出てくるので作ってみてください。
芝エビとは?
芝エビは意外ですがクルマエビの仲間です。鮮度が良いと透明感のあるきれいな身の色をしています。元々は東京湾でも獲れたらしいんですけれど、今はほとんど佐賀の有明や愛知などが多いです。
何年か前にあった食品偽装問題で、使っているのはバナメイエビでしたがメニューに表記されていたのは芝エビでした。中華料理屋さんで芝エビのエビチリと書いてるけれど、やたら大きいエビチリが出てきて、本当に芝エビかとも話題になっていました。
エビの下処理
背ワタのはずし方
芝エビの頭を取って、カラをお腹側からはずしていけば簡単にむき身になります。最後の尻尾はちょっと押すと簡単に身がはずれます。
カラがむけたら背ワタを抜きます。エビの背中の真ん中に包丁を入ると黒いワタが出てくるので、包丁で軽くこそげます。
背ワタの掃除が終わったらエビを洗います。そのまま水洗いでもいいですが、軽く塩でもみ洗いすると背ワタに残った汚れがキレイに抜けます。ザッと塩もみしたら、塩を水で洗い流します。人によっては、片栗で洗ったりといろいろな洗い方があります。
水に入れると、取りきれなかった背ワタが水に浮いてきます。見つけたらきれいに取り除いてください。水につける時間が長いとエビの身が水を吸ってしまうので、この作業はなるべく手早く済ませるようにしてください。
ザルにあげたら、ペーパーなどで軽く水気を拭き取ります。
エビのすり身の引き方
エビの水気を切ったら、プロセッサーにかけて細かくしていきます。プロセッサーにかける前にお塩をひとつまみ加えておくと、すり身にした時にエビに粘りが出て、しっかりとつなぎの役割を果たします。
充分にエビが細かくなったら、すり鉢に移します。この段階でお砂糖を加えて滑らかにすり身をひいていきます。
今回使う分量をざっくりと紹介すると、エビのすり身が110グラム前後で、塩はおそらく2~3グラム程度加えています。砂糖はだいたい40グラム、卵は4個ぐらいなイメージです。
みりんも数滴加えますが、甘さ控えめがよければ、砂糖の量は25~30グラムでもいいと思います。甘めがよければ、60グラムでもいいと思います。市販の伊達巻はかなり甘いので、おそらく卵4個に対して砂糖70~80グラムぐらい入るイメージです。市販の伊達巻は相当な量の砂糖が入っています。
すり鉢で充分に細かく引いたら、みりんを少々加えます。みりんを加えると身にみりんの水分がなじむまですり鉢をあたります。
次に卵を加えていきます。まずは白身だけ加えます。卵黄も一緒に加えてもいいんですけれど、卵黄を加えるとすり身が分離して、うまくなじまなかったりします。なので先に卵白だけ加えます。
人によっては卵を加える前にすり身を裏ごしする方もいらっしゃいます。僕の場合は裏ごしは必要ないのかなと思うので、裏ごしをせずに卵を混ぜ合わせてしまいます。
卵白を先に加えると、すり身がどんどん空気を含んできます。しっかり空気を入れていくと、焼き上がりのキメが細かい伊達巻ができ上がります。
1個の卵白だけ加えてよく混ぜて、しっかり混ざったら次の卵白を加えます。卵4個分、これを繰り返すだけです。
卵白がなじんだら卵黄を溶いて少しずつ生地になじませていきます。卵黄に付いている白いウネウネが気になるようだったらはずしてください。ちなみに僕は今までウネウネをカズラだと思っていましたが、正式名称は「カラザ」と言うらしいです。
伊達巻の焼き方
玉子系の焼き物をする時のポイントは、火加減です。強火で焼き始めないと卵がくっついてしまうので、最初は強火で焼き始めます。そのままずっと強火で焼いていると、砂糖のせいですぐに焦げてしまうので、最初だけ強火で、間は弱火に落とします。
鍋を傾けた時に、表面の油がサラサラサラと流れて水滴みたいになるぐらいまで温めたら、伊達巻の液を流し込みます。
僕の場合は、流し込む時に一旦火を切ります。流し込んだ時に、ジュワッという音がする時はきれいに焼きあがる印象です。結構、生地の粘りが強いので、最初は鍋を傾けて全体に伸ばします。
全体に生地が伸びたら、もう一度火をつけます。火加減は弱火で、残った生地を最後まで流し入れます。
コンロの種類にもよるんですけれど、おそらく火が強すぎて底が焦げるので、火力の調整をしたい場合は魚を焼く鉄板などの上に鍋を置くと、比較的火加減の調整はしやすいです。
それだけだと熱が回らなくて上のほうが全然焼けないので、アルミなどで蓋をします。表面は軽く蒸し焼きにするイメージです。10分から15分程度弱火で、ゆっくり火を入れていきます。
ひっくり返し方
約10分経つと周りがうっすら固まりだします。ここで一度ひっくり返します。ひっくり返し方は、箸で取って返す方法や木の板などに取ってから返す方法があります。
箸で返す時は、両サイドに箸を入れて持ち上げます。生地をスライドさせて端を合わせて返します。返す時に上を軽く押さえると、生地が折れる失敗は少なくなります。なるべくきれいに四角に収まるように返してください。
裏面は5分も火を入れれば全体に焼きあがると思います。蓋をして5分待ちます。
5分ほど経って火が入ったかどうかを確かめます。火が入りづらい真ん中に串を打って、串に生地がくっついてこなければしっかりと火が入っています。不安だったらちょっとだけ真ん中をめくってみてもいいと思います。
伊達巻の巻き方
火が入っていたら、盤から巻きすに取ります。巻きすは表がツルツルで裏がデコボコしていますが、デコボコの面に生地を取ります。巻きすのデコボコの跡が玉子の表面に残って、ちょっと飾り気のある伊達巻に仕上がります。
細巻きの要領で、生地を丸め込んでいきます。巻く時にしっかりめに押さえながら巻き込んで、輪ゴムなどで留めて冷まします。
充分に冷めれば、巻きすの目の跡が表面に残って、おなじみの伊達巻の形になります。
伊達巻の切り方・食べ方
断面はなかなか美味しそうです。割としっかりしているので、包丁を左右にウネウネ動かしながら切って模様をつける切り方もできます。お好みで好きなように切ってみてください。
今回のYouTube動画
今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。