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「芽が出る」といわれる縁起物!クワイの剥き方・食べ方【さいたま名産】

クワイの飾り切りや炊き方をご紹介します。おせち料理についても説明しているのでご参考くださいませ。

目次

クワイとは?

クワイは、おせち料理によく使う食材です。関東で見かけるクワイのほぼ全てが埼玉県産です。埼玉県産以外のクワイはおそらく扱ったことがないような気がするくらい、クワイは埼玉県の特産物みたいな感じになっています。

埼玉は意外と特産品があって、ルッコラやブロッコリーなどカタカナの野菜は結構埼玉の特産品になっているイメージがあります。

おせち料理とは?

おせち料理に込められた意味

おせちに入れる食材は、ゲンを担いだものが多いです。例えば、エビは腰が曲がるまで長生きするという長寿のゲンを担いだ食材です。数の子は子宝に恵まれるように、田作りは豊作を願ってというゲンを担いでいます。

クワイの場合は芽が太くよく伸びるということで、しっかりと芽が出るようにというゲンを担いで、おせちに入っている食材です。

おせち料理は、もともとは節句の料理を指す言葉だったと言われています。日本にはひな祭りや端午の節句などいくつも節句があります。そのうちの1つが元旦で、元旦の節句料理がおせち料理なのです。

最近はおせち料理も洋食や中華など、和食に限らずいろいろな料理が出るようになっています。皆さん賛否両論あるとは思うんですけれど、僕は何も文句はありません。というのは、僕は寿司屋なんですけれど、クリスマスなのでお寿司を食べに来ましたというお客さんもいらっしゃって、クリスマスの恩恵をしっかり受けてしまっているのです。おせち料理は和食屋さんの仕事で、僕はそもそも場違いなので別に中華でも洋食でも構いません。文化というのは変わっていくものなのかなと思っています。

おせちが5重になっている理由

おせち料理は地域や家庭によって差はありますが、お重は5重になっていて、おそらく5段目がカラになっている場合が多いと思います。それは縁起を担いだ理由があります。

なぜ一番上の段をカラにするのかというと、福が満タンになってしまうとそれ以上はなくなるので、まだまだ福が来ますようにという意味があるからです。

これは意外とよくある話です。例えば日光の東照宮の柱は逆さまに刺さっています。完成させるとあとは崩れていくだけなので、まだまだ未完成ですよという意味があります。完璧なものなんてないという考え方は、意外と料理以外でもあったりします。

日本独特な感覚なのかなという気もするんですけれど、意外とそうではありません。例えば理科で習った電子殻があります。電子殻はA殻でなくK殻からスタートします。もし科学技術が発展したら、これより内側の殻が見つかるかもしれないということでKからのスタートにしたという話もあります。

自分がやっていることは完璧じゃないのかもしれないという考え方は、世界共通の考え方のようです。僕は結構その考えが好きだったりします。

クワイのむき方

六方に剥く剥き方

六方にむく時は盛り付ける時に立てるので、底を切り落とします。

どこか一辺を決めてむいて、その真裏も水平になるようにむきます。

表と裏の二辺がむけたら、その真ん中を中心に二辺むきます。そうすると、比較的きれいに六角形が作れるんじゃないかと思います。

芽の根本部分の薄皮も一緒にむいてください。薄皮が乾いてたりすると食感が悪いので、残っていたら取り除いてください。

松笠に剥く剥き方

松笠という松ぼっくりに見立ててむくむき方も、まず六方にむきます。

六方にむいたら、六角形の角になってる部分にちょっとだけ包丁を上に向けて刃を入れます。水平よりちょっとだけ刃を上に向けて切り込みを入れ、その下からV字に角度をつけてさらに切り込みを入れます。切り込みを2か所いれるので、自然とV字にむけます。なるべく深めにむいたほうが見栄えはきれいになります。

次に、角を1個飛ばして同じ高さでV字にむきます。角を1個とばしで3つ切り込みを入れます。

今度は切り込みを入れなかった角に、さっきと高さをちょっとずらして切り込みを入れていきます。それを3か所くり返します。実際切る時は、見ながら切るというより感覚で順々に段違いにむいていったほうが作業効率はよかったりします。

ちょっと地道な作業ですが、何度もくり返していきます。切り込みを深く入れすぎると、繋がって笠が落ちてしまうので注意しながら切り進めてください。

全体に包丁を入れると、松ぼっくりのような形になります。なかなかきれいな飾りでいいですよね。お正月の門松にかけて松ぼっくりに見立てたクワイを食べるっておしゃれです。手間はかかりますが、1人5分ぐらいは、こんな飾りをほどこしてもいいのではないかな。

だんだん底に向かうにつれて平面になってきたら、包丁の角度をどんどん垂直にしていくと、きれいにむけます。

神経質にならずとも形にはなると思うので、難しそうに見えて簡単だったりするので、ぜひ挑戦してみてください。結構簡単にできるので、凝り性な方は意外とはまる作業だったりします。

闇雲に見た目を良くするためだけに飾り切りをするのは、食材をムダにしてる感じがしなくもないですが、季節ものやゲンをかつぐという意味に関しては、こういう仕事があると覚えておかなきゃいけないのかなと思います。この辺の価値観は人それぞれだと思うので、作った人が納得した形で完成させる料理がいいんじゃないかな。

クワイの炊き方

松ぼっくりができたらクワイを炊きます。クワイを炊く時は特にアク抜きはする必要はありません。色を付ける場合は、色付けと出汁と2回に分けます。色をつけない場合は、出汁でそのまま炊いてください。

着色方法

色を付けるのはとても簡単です。クチナシの実を一緒に煮るだけです。クチナシの実は割って使いますが、そのまま入れると中に種が広がってしまいます。

クチナシを縦に半分に割り、ペーパーに包んで輪ゴムで軽く止めます。これだけで色はしっかり出ます。

火にかける時間は、弱火で20分程度を目安にします。温度が上がると黄色が出てくるので、特に触らずとも放っておけば自然とクワイに色がつきます。充分にクチナシから色が出て、時間になったら火を止めます。

ちょうどいい黄色になったと思ったら取り出します。もうちょっと入れたいなと思えば、10~20分浸けて置くとしっかり色がつくので、自分の好きな加減で湯から上げてください。

出汁と炊き方

炊く時の出汁はカツオ出汁です。出汁も少し色はついてしまいますが、クチナシの黄色は出汁の色ぐらいで落ちる色ではないので、心配せずに炊いてください。

あまり甘くなりすぎないように砂糖をひとつかみ程度入れます。僕は甘さはみりんで加えます。おせち料理は保存食なので味を濃くしたいのですが、砂糖で甘さをつけすぎるとどうしても食べ疲れるというか不自然な甘さに感じるので、甘さは主にみりんでつけるようにしています。あとは薄口醤油で塩気を入れます。

弱火で、沸くか沸かないか程度の温度で10分ほど煮て、一晩置いて完成です。

クワイの食べ方

なんとなくクワイの芽は食べられなさそうな感じがすると思いますが、芽には苦味があって食べたほうが美味しいので、お召し上がりの際は芽までお食べください。

今回のYouTube動画

今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。

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