穴子の煮方(煮穴子の作り方)
フワッフワの煮穴子。
程よい甘さ。
深い旨み。
穴子の風味。
泥臭くなく、力強い。
そんな穴子の煮方をご紹介。煮穴子は下処理が味の決め手です。
穴子の臭いの原因
さて、穴子の捌き方は別記事を参照して頂くとしまして、この記事では穴子の下処理と穴子の煮方についてご紹介いたします。
穴子って自分で煮ると、どうしても泥臭いイメージがありませんでしょうか?
あの泥臭い感じが穴子らしさなんだよなんて言ってる方もごくごく稀に見かけますが、穴子の泥臭さの原因は鮮度の問題を除けば下処理がきちんとできていないからです。
穴子の臭みの原因は体表のぬめりです。鮮度の良い穴子を使っているのに何故か泥臭いって場合は下記のようにぬめりの下処理をしてみてください。
穴子のぬめりの下処理

穴子って魚はね、鱗が無い代わりに表面がぬめりで覆われてます。そのぬめりが穴子の臭いの原因であるわけです。ぬめりの下処理の方法は大きく3つ。
塩でもんで包丁でこそげるか、ひたすら水で洗ってぬめりを取るか、熱湯で一度ぬめりを固めてから取るかです。
今回は熱湯を使ったぬめりの処理方法をお伝えします。
まずは鍋に湯を沸かしましょう。グツグツと沸かして構いません。
次にトングなどで穴子を持ち、一瞬、熱湯にくぐらせます。その後氷水に落とすと

写真のように体表のぬめりが白く固まったのが分かりますでしょうか?
あとはこのぬめりを包丁でこそげるだけです。
包丁を使い

表面の固まったぬめりを擦ってやれば、下から穴子の綺麗な皮目が出てきているのが見えますでしょうか?

包丁にはびっしりと固まったぬめりが付いております。これをやるかやらないか、想像するだけで味の差が分かりますでしょう。
このように下処理をしてやれば、鮮度が悪く無い限り美味しい煮穴子を作ることができます。
穴子の煮方(煮穴子の作り方)
さて、下処理が終わりましたら穴子を煮ていきます。
穴子は火を通すととても身が柔らかくなります。逆に言うと簡単に煮崩れてしまうと言うことです。ポイントは時間と火加減です。
一応穴子を煮る際の当たりも書いておきましょうか。
- 水2L
- 酒300ml
- ミリン200ml
- 醤油200ml
- 砂糖200g
上記を目安に好みに合わせて調整してみてください。
さて、作った煮汁は一度沸かしておきましょう。沸騰した煮汁に穴子を入れます。
最初は穴子自体が硬いのであまり気を使わなくて構いません。
煮汁が再沸騰したら

写真のようにごくごく弱火、軽くポコポコと沸騰しているくらいに火を落としてください。
そのままアルミホイル等で落し蓋をして20〜30分。大きければ30分以上、逆に小さければ18分程度で良いでしょう。
これで骨まで柔らかい煮穴子ができます。

煮上がったアナゴはザルなどにあげて余熱を取り、冷蔵庫に保存しましょう。煮汁ごと冷ましてから、ザルにあげると崩れにくいです。温かいうちに煮汁から上げるか、冷ましてから上げるかについては下記のリンク記事に詳しくまとめさせていただきます。味の濃さにもよりますが2〜4日程でしたら、そのまま保存可能です。
煮穴子の煮崩れ
さて、穴子を柔らかく煮ることはできましたでしょうか?
ここからは少し見た目のお話です。
聞いたことがあるかも知れませんが、煮物をする際は煮崩れに注意しなくてはなりません。
煮崩れとは煮物がボロボロになってしまう事です。素材の角や、身がボロボロになり、見た目が非常に悪くなってしまいます。
穴子が煮崩れる主な原因は
- 火力が強すぎて、煮るときに穴子が踊ってしまう
- 煮る時間が長すぎて身が崩れてしまう
- 穴子を煮汁からあげる時にボロボロになってしまう
の3点です。
上2つは火加減と時間を守っていただければ問題ないかと思いますが、1番の煮崩れが起きやすいのは煮穴子を煮汁から上げる時でしょう。
お店によって様々な方法がありますが、煮崩れの解決策を2つ書かせて頂きます。
- 穴子は煮汁が冷めるまで待ってから穴子を引き上げる
この方法は最も煮崩れが起きにくい方法です。穴子は冷める事で身のゼラチン質が固まるため、煮汁が冷めてしまえば比較的簡単に手でも持つことができます。
ただこの方法では、ある程度の時間穴子が煮汁に使ったままになってしまいます。よって穴子に味をしっかり入れたいと言う方にはオススメの方法と言えます。
しかしこんなデメリットも
煮汁を冷ましてから穴子を引き上げるデメリットは、穴子が丸まったまま固まってしまう事です。大抵の場合、穴子は伸びていた方が使いやすいと思います。
穴子は冷めると固くなるため、固くなった穴子を無理に平らにしようとすると身が割れてしまうってわけであります。
- 熱いうちに穴子を杓文字や竹網などを使って引き上げる
さて穴子をまっすぐに伸ばしたいって方は穴子を熱いうちに引き上げなきゃなりません。
そんな時は宮島などの大きな杓文字やお玉や木ベラなどなんでも良いのですが、道具を使って引き上げなきゃなりません。
優しく丁寧に扱えばうまく引き上げられるんですが、手元が狂うと柔らかい穴子は簡単に切れてしまいます。ある程度の経験と技術が必要って事ですね。
優しく引き上げた穴子をバットかなんかに移して冷やし固めれば、平らな煮穴子が準備できるってわけです。
また、味をしっかりと入れてかつ穴子も伸ばしたいなんてワガママな方は、一度穴子を煮汁につけたまま冷まし、最後に少しだけ煮汁を温めてから穴子を引き上げると良いでしょう。
いかがでしょうか?自分の好きな煮穴子が作れる事を願っております。
煮穴子の温め方
冷蔵保存したアナゴは、アナゴ自身のゼラチン質が固まるために、冷めた状態では固くて旨味に欠けます。その為、食べる前に温める必要があります。
温め方としましては、
- 煮汁と共に鍋に入れて火にかける
- 煮アナゴをオーブンで軽く焼く(焼き目を付けても美味しく頂けます)
- 蒸し器で煮アナゴを温める
- 電子レンジで温める
のいずれかと思います。
レンジは温めにムラができやすいので、オススメしませんが、他の方法ならそれぞれ美味しくいただけるはずです。
穴子の煮汁を煮詰めたツメを塗って食べるのも、オススメです。

んー、んまい。
穴子の煮方についてより詳しく知りたいという方は下記のリンクよりアナゴを柔らかく煮る方法を参照ください。
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