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マナガツオのさばき方と、2種類の焼き物をご紹介します。味噌ベースの西京焼きと醤油ベースの幽庵焼きをぜひお試しくださいませ。
マナガツオとは?
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英名がButter Fishというくらいしっとりとした魚って感じです。関東ではもうほとんど獲れることはありません。なので関東の人は意外とマナガツオを知らない場合が多いです。鮮度さえよければ、刺身でも食べられるような魚です。
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マナガツオは「真似鰹」という字を書きます。マナガツオは主に瀬戸内で獲れるんですけど、カツオは瀬戸内では獲れません。なので「カツオの真似をした魚」ということで「真似鰹」という名前がついたと言われています。
マナガツオのさばき方
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まずはウロコを取ります。マナガツオのウロコはすごく取りやすくて、包丁でこするだけで簡単に取れていきます。鮮度が落ちると、ウロコは時間が経つにつれて勝手にはがれていきます。昔、流通が悪かった時代はウロコがない魚だと思っている人がいるぐらい、ウロコ付きで出回ることが少なかった魚でもあります。
包丁で普通に取れるんですけど、もし包丁で取るのがちょっと面倒だったら魚用の金タワシを用意して、金タワシでこすると結構簡単にウロコは取れます。
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ウロコを落とせたら、頭を落とします。普通の魚は胸ビレと腹ビレがついているので、胸ビレと腹ビレをつなぐラインで頭を落とす場合が多いです。でも、マナガツオの場合は腹ビレがないので、身を大きく残して取ることができます。
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頭のほうも骨があるところまで身が取れるので、他の魚とはちょっと違った角度で頭を落とすことになります。
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内臓を取り出します。マナガツオは卵を持っている場合が多くて、漁の時期と関係があります。マナガツオは普段は水深の深いところにいますが、産卵のために浅い海に出てきた時に漁をします。産卵期に漁をする魚なので、マナガツオのメスの場合は卵を持っている場合が多いです。
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頭を落として内臓を出したら一旦、身を洗います。
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おろしていきます。若干、形がいびつではあるんですけど、普通の3枚おろしでおろしていきます。
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ヒレのキワに包丁を入れて、中骨まで切りすすめておろします。マナガツオは結構、身が硬いです。骨は柔らかいんですけど身が結構しっかりした魚なので、意外とその点でおろし難い魚かと思います。
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中骨があるところまでしっかり包丁が入ったら、背中側の身をおろします。
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背中側もおろせたら、身をはずします。
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上身は普通に3枚におろしてもいいんですけど、裏おろしのほうがおろしやすい魚です。最初に皮目に切り目を入れます。
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骨を上に向けて、入れた皮の切れ目から包丁をすすめていきます。
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包丁を上の骨に当てながら切りすすめていきます。
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魚は大体そうなんですけど、内臓がついてるところの一番手前の骨が太いです。ここの骨を最初にはずしたり最後にはずしたりすると、比較的他の身を削らずにおろせるんじゃないかなと思います。
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背中側も同じようにおろします。
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裏おろしのポイントは、左手で骨をしっかり押さえて、包丁の力を上に入れることです。骨1枚をはさんで包丁を手に当てているのでちょっと怖いので、慣れるまでは3枚おろしでも構いません。
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背中側の身が外れたら、最後に中骨をはずします。
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マナガツオみたいに骨が柔らかい魚は、下ろした時に骨が削れて身に残る場合があります。残っている骨があったら、包丁や骨抜きではずすと食べよい焼き魚になります。
マナガツオの西京焼きの作り方
最初に西京焼き(味噌ベース)を作ります。
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骨と腹膜をはずしてしまいます。付けたまま焼いてもいいんですけど、腹膜は味が染み込みづらいんです。膜を取ってから漬け込んだほうが味が均一に入りやすいので、骨と一緒に腹膜もはずしてください。1本硬い骨があるので、それもうまくはずしてください。
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腹膜がはずせたら、真ん中の血合いのところで半分に割ります。
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半分に割るとお腹側か背中側に中骨が残るので、薄く包丁ではずしてしまいます。
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味噌に漬けていきます。人によっては切り身にしてから漬けるという方もいます。その辺はお好みでどうぞ。僕の場合は塊ごと漬けて、焼く前に適当な大きさに切って焼くという感じです。
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西京焼きに使うのは、西京味噌という白っぽくて甘みのある京都の味噌です。もし甘いのが嫌だったら普通の味噌を使えばいいですが、その場合味噌焼きになります。
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西京味噌自体は結構柔らかい味噌ですけど、みりんを加えて伸ばすと、ある程度漬かりも早くなるし扱いやすくなります。そのまま味噌に漬けてもいいんですけど、時間がかかるので、僕はみりんで伸ばして漬けています。
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甘さが加わるのがイヤな方は、酒で伸ばす方もいらっしゃいます。
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嫌いじゃなければ、酒粕を入れると香りのある西京焼きができます。酒粕を入れすぎると粕漬けになってしまうので、適度に加減します
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味噌が均一に混ざったら、味噌床の完成です。
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マナガツオを漬けていきます。人によってはこのまま味噌に漬けてしまう方もいますが、薄く塩をふって、多少水分を抜くと味の入りが良くなります。表と裏に、本当に薄く塩をふって30分ぐらい置いてから漬け込むといいと思います。
30分経つと、表面に水分が浮いてくるので、一旦洗い流してから漬けていきます。塩をふって最初に出てくる水分は、結構臭みがあります。なのでこの水分はしっかり洗い流してください。
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水気を拭き取って漬け込んでいきます。バットなどを用意して、作った味噌を敷いてキッチンペーパーやガーゼを敷いてマナガツオを漬けます。
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切り身にしないで塊のまま漬け込む理由は、切り身にすると表面積が増えて、使う味噌の量と手間が増えてしまうからです。
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切り身にせずに漬け込む時間は、僕の場合は冷蔵庫で大体3日漬け込んで食べています。味の好みがありますし、身の厚さや身の脂のノリなど、魚の状態によっても味の入り方が変わるので、ちょうどいい味を見つけてください。上からラップをして保存してください。
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漬けて3日間経つと、身の水分が抜けて程よく色がついて、味もしみていそうです。あとは切って焼いて食べるだけです。
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場所によって、身の厚さに差があります。とうぜん、薄いほうは先に火が入り、厚いほうは火が入るのが遅くなります。
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なので、薄いほうは折り込んで串を打つと、バランスの良い焼き物ができると思います。
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串を打ってそのまま焼いてもいいですが、ヤマになっている部分に包丁を入れます。人によっては最初に皮に包丁で目を入れておいて、串を打つ人もいます。
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焼く時は、炭でもグリルでもなんでもいいと思います。西京味噌は結構糖分が強いので、あまり強火でやると焦げます。理想は「強火の遠火」というんですけど、全体に均等に火が入りつつ、表面にうっすら焼き色がつくぐらいを目指して焼くといいんじゃないかな。サンマなどを焼くような火加減で焼くと、味噌の糖分が焦げるので注意してください。
西京焼きの盛り付け方
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仕上がりで表面に照りが欲しかったら、焼いている途中でみりんなどを塗ると照りが出ます。
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串を抜く時は、箸などで身を押えて串を回しながら抜いてあげると、きれいに抜けます。今回は竹串ですが、金串だともうちょっときれいに抜けます。お店などで焼き魚を頻繁に作るような場合は、金串があると便利です。
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茹でて酢にとったミョウガなどを添えてあげればいいと思います。
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マナガツオの幽庵漬けの作り方
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残りの身で、マナガツオの幽庵焼き(醤油ベース)を作ります。
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骨をはずしたり真ん中で渡すのは、西京焼きと一緒です。醤油に漬け込む時は、切り身の状態にして漬けます。
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切り身にしたほうが、表面積が広くなるぶん漬かる時間が早くなります。醤油漬けは、醤油が切り身の間に勝手に入っていくので切り身にして漬け込みます。
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醤油に漬け込む前に、全体に薄く塩を振っておきます。切り身にしているぶん塩の入りが早いので、10分ぐらい置いておけば表面に水分が浮いてきます。
10分経って身に水分が浮いてきたら、水分は洗い流して水気を切ります。
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幽庵地を作ります。幽庵地はとても簡単で、お酒とみりんと醤油を1:1:1の割合で合わせたものです。あとは好みで柚子を足したり、人によっては一味やネギなどを足す感じです。酒とみりんを入れるんですけど、基本的には沸かさずに使う場合が多いです。
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マナガツオの身を幽庵地に漬け込みます。漬け込む時間も完全に好みなんですけど、早くて30分ぐらいです。結構濃いめにしっかり漬け込むなら、半日ぐらいを目安に加減してください。
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漬けると魚が浮いてくるので、上からペーパーを落とすとムラなく漬かります。冷蔵庫に入れる人もいるし、常温で漬ける人もいます。当然、常温で漬けたほうが味の漬かりは早いです。
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3時間ぐらい漬けると、身の水分が抜けてネットリしてきます。大体味が入っているので、地から上げます。
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1度に食べきれない場合は、冷凍してあげれば日持ちします。残った地は、当然魚から水分が溶けだすので薄まるんですけど、2~3回ぐらいなら続けて使えます。
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幽庵焼きの焼き方は、西京焼きと一緒です。背中側の身と腹側の身を比べた場合、背中側の皮が厚いです。背中側の身を焼く時は、結構しっかりめに皮目に包丁を入れてあげたほうが、食べる時に食べよいと思います。
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適度に焼き色が付いたら完成です。
幽庵焼きの盛り付け方
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添え物は大根おろしでもいいんですけど、今回はすりおろしたカブを添えてみました。
今回のYouTube動画
今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。