知名度が低いながらも、出回れば夏が来たことがわかるタカベ。塩焼きをすると魚類の中でも、とりわけ、おいしいともいわれています。この記事では、3枚の捌き方と、おいしく塩焼きで食べる下ごしらえの方法をまとめました。
タカベとはどんな魚?
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タカベは全国的には出回っていませんが、伊豆諸島近海で獲れることから、関東地方ではポピュラーな魚といわれています。夏場が旬で、高級魚ともいわれています。タカベが市場に出回ることで夏が来たことを感じる人も多いといわれています。
タカベの食べ方
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タカベは身が柔らかく、脂がキツいことから、刺身には向かないとされています。タカベの刺身が食べられないということはありませんが、骨が多いことと、時間の経過とともに身の色が悪くなりがちな点で刺身にしても美しくないと考えられています。刺身よりも、ふっくらとした身を楽しめる塩焼きが向いています。
タカベの基本情報
分類 | スズキ目スズキ亜目タカベ科タカベ属 |
分布 | 東京八丈島、小笠原諸島、茨城県から九州南岸の太平洋沿岸 |
特徴 | 大きさは20cm前後、背びれは1つ、尾が黄色 |
タカベの捌き方
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タカベは身が柔らかい魚なので、丸ごと焼いてもよいのですが、身自体が厚く火が通りにくい特徴があります。また、骨も多いので、3枚におろしてから調理するのがおすすめです。タカベも一般的な魚と同じ方法で3枚おろしが可能です。その手順を見ていきましょう。
捌き方①うろこを落とす
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タカベはうろこが柔らかいので、包丁のみねを尾から頭の方向へ動かしてうろこを取ります。背や腹など全面的に包丁のみねを動かしてうろこを取ってください。うろこが取れたら軽く水洗いして、からだにうろこが残っていないか確認しましょう。
捌き方②頭を落とし、3枚におろす
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えらと、えらひれのすぐ後に包丁を置き、頭を落とします。その時に、腹の中にある内臓も一緒に引き出しておきましょう。
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腹側にあるタカベの肛門付近に包丁の先を突き立て、腹を割ります。骨のところに1本通っている血合いの部分を包丁の先で掻き出しておくとよいでしょう。残っていた内臓もここで外しておきましょう。
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腹側の中骨を取り掛かりにして、包丁の先を添わせて半身を外します。
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次に背側に包丁を入れ、中骨に沿って半身を外していきます。身が柔らかいので、力を入れると身が崩れてしまいます。手早く済ませましょう。半身が外せたら、もう反対側も同じ手順で骨を外し3枚にします。
捌き方③骨をトリミングする
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中骨を外したら、次は、食べやすくするために骨を取り除きます。タカベは骨自体は柔らかいのですが、小骨が多いので骨が残っていれば口当たりが悪くなります。まずは、内臓周りの膜とあばら骨を包丁でそぎ落とします。
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中骨の一番太い骨があった周りには小骨が残されています。指に当たる骨は「骨抜き」という専用のピンセットを使って1本ずつ丁寧に抜いていきましょう。この時も身が崩れやすいので気を付けながら抜きます。
タカベの下ごしらえ
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タカベは身が柔らかい魚なので、水分が多いのが特徴です。また脂も多いので、脂分も落としたいところです。タカベの身を締めて、本来の味を引き出すために、塩焼きの前に下ごしらえを行います。巻きすの上に3枚おろしにしたタカベの身をのせます。巻きすの下には、バットを置きましょう。
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タカベの身に塩を打ち、10分~20分ほど寝かせます。浸透圧によって脂肪分が高く、臭みを持った水分を追い出す効果があります。また、塩を夏場などは冷蔵庫に入れて時間を置きましょう。
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ボウルに日本酒4と醤油1程度の比率で「酒醤油」を作ります。タカベから出た水分を洗い流すのですが、流水では塩分やうまみが抜けてしまうので、酒の中で脂を抜き、醤油で風味をつけていきます。熟成後のタカベを酒醤油の中で振り洗いしてください。
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振り洗いは、きつくしすぎると身がほどけてしまうので、軽く泳がせる程度で構いません。皮目にぬるぬるした部分があれば酒醤油の中で洗い流しておくとよいでしょう。振り洗いあとは巻きすの上でちょっとだけ乾かしておきましょう。
タカベの塩焼きの作り方
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ここからタカベの身を塩焼きに仕立てていきます。まずは、皮目に飾り包丁を入れてください。斜めに3本ほど入れるとよいでしょう。焼き魚は火を入れることで身が縮んでしまいます。飾り包丁を入れておくことで、焼き縮みを防げます。また、焼き上がりの見栄えが良くなるのでおすすめです。
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次に、尾側を三つ折りにし、頭側から竹串を打ちます。形を作って竹串で固定すると、型崩れをさらに防げます。また、小料理屋で提供されるような一品料理風におしゃれな焼き上がりになるので試してみてください。竹串は頭側の身の中心から身を縫うように打ってください。
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竹串の先は三つ折りにした尾の背側を通り、身を貫通します。形を決めて竹串を指すと、焼いているときに身が落ちてしまうことも少なくなります。
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竹串が打てたら、ガス火の網焼きで焼き上げてください。魚焼きグリルでもよいですが、火加減には気を付けてください。好みの焼き加減で火からおろしてください。
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焼き上がりの加減は、皮目もパリっと焼き色がついた状態がおすすめです。
添え物の作り方
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塩焼きの焼き上がりを待つ時間に、添え物(箸休め)を作ります。タカベは脂が強いので、途中で飽きやすい欠点があります。お酒のアテには最適ですが、飽きるのを防ぐために添え物で味の変化を楽しみましょう。今回はエシャロットの味噌和えを作ります。
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エシャロットは葉と根を切り落とし、白い部分だけを使います。斜めの小口切りにして、味がなじみやすいようにしてください。乱切りにしてもよいでしょう。
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味噌大さじ1、みりん小さじ半分程度を混ぜたものに先ほど切ったエシャレットを和えるだけです。酢を少々プラスすると「ヌタ(酢味噌和え)」風味も楽しめます。味噌とみりんの種類や分量は、お好みでどうぞ。
タカベの塩焼きの盛り付け方
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焼きあがった塩焼きはさらに盛り付けます。串は左右に回転するように動かしながら抜くと、身が崩れずに串が抜けます。バランスよく皿に盛りつけてください。
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箸休めのエシャロットの味噌和えを添えたら完成です。彩りが欲しいという場合は、木の芽(山椒の葉など)をたたいて香りを出してから乗せるのもいいですね。
夏の楽しみにタカベの塩焼きを食べてみよう
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夏が来たことを知らせるタカベは、関東地方ではスーパーでも出回ることがあるので、新鮮なものが手に入ったら塩焼きにチャレンジしてみましょう。
今回のYoutube動画
今回の記事は、動画でも紹介しておりますので、是非、ご参照ください。